雨の屋久島が大好きで、それは深い緑やキラキラの雫が美しいだけじゃなく、しとしと雨音が心に優しく響くから。出来上がったばかりの指輪も、全ての世界が喜んでいる。
シダの葉っぱを傘がわりにしてリングを眺めながら、偶然のようで必然のようでもあった、彼との出会い思い浮かべる。最初はキラキラしたシルバーリングで、次はゴールドの六角形ピアスだった。そしてシダの指輪と。始まりはいつも、雫が宿るこのシーンのようだなと思う。
雫は水辺に波紋を起こして、やがてどこまでも拡張を続けてゆく。
屋久島サウスでは春の雨が長く、深く降り続けていたのも制作のムードを盛り上げてくれた。静かで平穏で、何気ない暮らしだけれど、大好きな屋久島時間にありがとう。
「出来上がりました!お届けを楽しみにしていてください!」とtwitterからメッセージを彼に送ると
「前回製作いただいた指輪も2014年から、未だに休日は毎日つけて楽しませていただいています!」と彼。
深い繋がりの中でジュエリーを作っていられるのは何よりも幸せなことだなと思う。一つ一つのタッチが今に何かしらの喜びを生み出しているのだと思うと、8年という歳月がとても濃密で、いっそう愛おしく思えてくる。
今までに揃えてくれたリングとピアスと、このシダの指輪はよくフィットするだろうなあと、少しだけ先にある未来に、わたしもワクワクしながら。
シダの指輪 18k yellow gold, silver
雲のようでもあり、羽のようでもあり、どこか自由のひとかけらのようなシダの葉っぱ。屋久島に初めて訪れた時からずっと夢中になっている。
シルバーの葉っぱとイエローゴールドの茎と。植物の儚さも魅力的だけれど、その長い時間軸が金属の素敵なところだと思う。
レコードを回したり、機材をハードに扱ったり、彼のライフワークにフィットするように、手作業でしっかりと丈夫に作り上げました。この小さなリングが彼の時間と溶け合って、新しい何かがクリエイトされると嬉しい。
シダの葉っぱがそうであるように、わたしも軽やかに自由にジュエリー作りを続けてゆきたいと思います。そんな心地がささやかに、波紋みたいに広がってゆけばいいなと思います。
いよいよ雨の季節が始まる屋久島より。
楽しいジュエリー作りをありがとうございました!
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