
初夏のひかりとピンクゴールド。
海風にそよぐハイビスカス。
そっと手をつなぐように寄り添う、おふたりの結婚指輪。
彼と彼女が出会った屋久島から、心からの祝福を。
アトリエの近くで暮らしていたおふたりが相談会に来てくれたのは、二月とは思えないほど、やわらかな空気に包まれた日のことでした。
やがて冬が過ぎ、桜や菜の花が屋久島サウスに明るい色を添えました。
指輪作りの間には、梅雨の深い雨が降り続き、庭先には大きな紫陽花が咲きました。
屋久島の季節の中で、少しずつ指輪が形になっていく。
おふたりと、かけがえのないひとときを分かち合えたことも、
今となっては、素敵な思い出です。
お互いの夢を追いかけて、海を渡ったおふたりですが、
ここで出会い、共に過ごした屋久島の空気や、
その奥に漂う神秘のようなものを、
ふとした瞬間に感じてもらえると嬉しい。
そんな小さな願いを抱きながら、この指輪を作りました。
それは、わたし自身にとっても、あたたかで、幸せな日々であったように思います。

ハイビスカスの木の下で、ふたつのリングをそっと重ね合わせてみる。
花びらを透かした祝福のような光に包まれて、ピンクゴールドがやさしく輝いています。
彼のリングは、丸く、誠実さを感じる佇まいに。
彼女のリングの表面には波模様を削り出し、リング幅にも抑揚をつけて、リズミカルな印象にお仕立てしています。
波打つようにカーブするシルエットが、ふたつのリングをゆるやかにつないでいます。
硬いゴールドなのに、どこかやわらかく感じられるのは、
屋久島の水や光に満ちた季節に魅せられ、育まれたデザインだからかもしれません。

シンプルに整えた刻印も、とても印象的に仕上がりましたね。
0.1mm単位で整えていく、細やかなデザイン作りでしたが、
いつもあたたかくお付き合いいただき、本当にありがとうございました。
どこかおふたりの空気感と重なり合うような、
明るくてあたたかな指輪が、わたしも大好きです。

島には眩しいほどの光が降り注ぎ、季節がまたひとつ新しくなりました。
指輪作りもこれでひと段落して、
わたしたちも新しい一歩を踏み出すときがやってきました。

夕暮れ時の海へ。

波打ち際を裸足で歩いていると、
水平線に浮かんだ雲の隙間を抜けて、まばゆい光が差し込んできました。
水面に反射した煌めきが、一日の終わりをキラキラと包み込んでくれます。
そっとリングを手にして、その光にかざしてみると、
ピンクゴールドの淡い茜色は、夏の夕焼けと和やかに響き合っているように感じられました。

ふたつのリングは、それぞれに個性を持つひとつの形であり、
同時に、風や光、波音の一部分でもありました。
わたしたちの指輪作りにずっと寄り添っていてくれた屋久島に、ありがとう。
そして、おふたりに、心からおめでとうございます。
夏の余韻がまだ残る頃に、
またおふたりに、この島でお会いできることを心待ちにしながら。
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