
イエローゴールドの輝きはとても心地よい。ジュエリーとして身に纏うと一日が始まったばかりのような新鮮な気持ちに包まれる。朝のやわらかく透き通る光に似ているのだ。
ジュエリーの素材となるゴールドやダイヤモンドもまた、この広い大地で果てしなく長い時間をかけて育まれてきたものだ。
わたしたちは、はるか昔から自然に触れ、憧れながら何かを作り出してきたのだと思う。
植物を暮らしの中に迎え、大切にしてきたのも、自分自身が自然の一部であることを確かめるためなのかもしれない。
ジュエリーを身につけることは、それに似ているように思う。小さなリングを通して、自然が奏でる大きなリズムと繋がっていたい。

造形作業がひと段落したリングを庭先で眺めていて、時のかけがえなさを実感した。大地から生まれたゴールドがいくつもの偶然を経て、今この瞬間、小さなリングとなってここにある。ナノハナをかたどる黄金色の光と影が静かに浮かび上がり、まさに一輪の花が咲いているようなのだ。

素材には全てK18イエローゴールドを用い、繊細に、そして丈夫に仕立てた。希望そのもののような光と色彩を纏う姿に、春風に揺らめく菜の花畑を思い出す。

これからリングを丁寧に磨き上げ、ダイヤモンドをセットしていよいよ完成となる。これまでになかった素材とデザインの出会いは、おふたりの大切な想いから生まれたものである。ナノハナの指輪は、これまでもさまざまな表情で作ってきたけれど、こんなにも素敵なスタイルがあるとは知らなかった。
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制作編


島に遅い秋の気配が漂い始めている。









