
新緑の季節、おふたりが屋久島にお越しになる日に向けて、結婚指輪を作っている。
プラチナとシャンパンゴールドで紡ぐ、コンビネーションリングだ。
これまで一緒に育んできたイメージが、手の中で、少しずつ実際の形となっていく。
春への扉を思い切りよく開いたように、屋久島サウスではあたたかな風が吹き付け、木々は少しずつ緑色を濃くしてゆく。
そのような時間を前にすると、胸の奥に、ぐっとあたたかな感慨が込み上げてくる。

屋久島が祝福に包まれる春。
おふたりにとって、新しい始まりを迎える日へと近づいてゆく時間は、いつも爽やかな喜びに満ちている。
さて、今日のアトリエです。
ぴたりと合わさったプラチナとシャンパンゴールドを、丸くやわらかなフォルムへと削り出す工程が始まった。

どちらも硬くて耐久性の高い金属なのだけど、ゴールドには強固な安定感があり、プラチナにはしなやかな強さがある。
その両者が接するラインのある表面に、なだらかなカーブを描くため、微妙な手加減を加えながら鉄工ヤスリでガリガリと削り落としていく。
まずは目の粗いヤスリから始め、少しずつ目を細かくしながら丸く整えていく。
作業机の上に、キラキラと輝く衣を脱ぎ捨てるようにして、すっきりとしたフォルムが現れ始める。
リングの表面に均一でスムーズな流れを作り出すために、休むことなく一気に手を進めていかなくてはならない。
目指すべきリングの姿は、大きな金属の奥の方に見えている。
タッチを重ねるたびに、自分自身の中にある深い部分へと入っていくのがわかる。
まるで森の中を歩いているような感覚が、とても好きだなと思う。
ふと我にかえり、リングを作業台の上に置くと、大まかな造形が取れていることがわかった。
左右の均整も取れている。少しずつ目減りしていく寸法も予定通りの進捗だ。
わたしなりに大切にしているいくつかの項目を確認できたところで、ここでようやく作業の手を一度止めることにした。

朝の散歩で、山の麓に広がる森を歩いた。
深い緑に包まれた道を歩きながら木々を見上げると、その世界を包み込むひかりが眩しくて、思わず目を細めた。
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