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やわらかな力強さ。島のリズムに育まれるプラチナリング #屋久島でつくる結婚指輪

タッチを加えるごとに、その手触りを変化させていく。

金属を扱う手作業は、どこか生きものと向き合っているようで、面白い。

 

プラチナをリング状に整えたあと、表面を金槌でコンコンと打ち付けていった。

ぐるりと一周、また一周。

表面と側面に凹凸が現れるまで、均一な力をしっかりと加えていく。

 

こうして圧力を加えると、プラチナはきゅっと身を引き締めるようにして硬化する。

その変化の中で、リングには温度を帯びた“動き”のようなものが宿っていくのがわかる。

 

これから長くお使いいただく結婚指輪なので、しっかりと丈夫に仕上げていきたい。

 

 

屋久島で出会ったおふたりと、屋久島でお会いして始まった結婚指輪作り。

屋久島に咲いた花。おふたりとの結婚指輪作りのはじまり。#屋久島でつくる結婚指輪

 

小さなリングではあるけれど、プラチナには確かな重さがある。

同時に存在する硬さとやわらかさは、大地から生まれた金属ならではの、深く有機的な質感なのだと思う。

その手触りがやさしく響くように、リングを丸いフォルムに削り出していく。

 

視覚的な美しさと、日々のつけ心地。

その両方を丁寧に重ねていくと、ラウンドシェイプというかたちが、いつの時代にも選ばれてきた理由が、ふと腑に落ちてくる。

 

削り出し作業の前に、庭先の花々に癒されておく。

やわらかな力強さが、いつもここにある。

 

鉄工ヤスリを、目の粗いものと細かいもの2本。

それぞれを使い分けながら、ここまで一気に削り出した。

滑らかで途切れのないラインを生むためには、途中で手を止めないことが大切になる。

 

ラウンドシェイプのリングを造形していると、いつも白いシャツやイチゴのショートケーキのことを考える。

シンプルで普遍的なフォルムだからこそ、そこには作り手のスタイルやアイデンティティが強く反映される。

 

わたしの場合、それは、緑に囲まれた島での暮らしそのものであるのかもしれない。

その日々を快適にしていくように、リングのデザインもより良いものに磨き上げていきたい。

 

このあと、ヤスリを精密なものに持ち替え、細やかにバランスを整えていく。

目立たない工程ではあるが、多くの時間と集中力を要する作業だ。

 

なんともゆっくりとしたペースのものづくりだけど、

島のリズムに合わせて、少しずつ、ふたつのリングが育まれていく。

今はそのような時間とともにあることが、楽しい。

 

夕暮れ時には、オレンジ色に染まる雲を空に見上げた。

日も長くなってきたなあと思いながら、

ずっと遠くを眺めて、目をゆっくりと休ませていた。

 

 

屋久島でつくる結婚指輪

オーダーメイドのお問い合わせはこちらまで
hp@kei-jewellery.com
tel: 0997-47-3547

屋久島に咲いた花。おふたりとの結婚指輪作りのはじまり。#屋久島でつくる結婚指輪

しとしとと、やわらかな雨が降り続いている。

島を足早に通り過ぎるたび、植物たちを目覚めさせ、その緑を深めていく春の雨だ。

海から強く吹きつける風は、湿度を帯びて重たい。

気がつけば、ずいぶんとあたたかくなったものだ。

 

 

そういえば、おふたりとアトリエでお会いした日も、雨が降っていた。

屋久島で出会われたお二人と、今年最初の結婚指輪の相談会でした #屋久島でつくる結婚指輪

 

山茶花やツワブキの咲く頃から始まった結婚指輪作りだったけど、

あれから冬を越え、庭先の芝生も、柔らかな青さを帯びてきた。

 

気がつけば、半袖のシャツ一枚で過ごせるほどの気候になり、

指輪作りを始める朝には、生垣のハイビスカスが今年最初の花をつけていた。

 

これから島は、熱帯の気配に包まれていくことだろう。

南国ならではの鮮やかな色彩が、日々に寄り添っていてくれる。

 

窓の向こうを眺め、どこか心を弾ませながら、作業机に向かうことにした。

いよいよ、おふたりの指輪作りが始まる。

 

作業のために用意したプラチナを、リング状に整えるところから始める。

酸素トーチの炎に包み、1000度以上まで温度を上げ、その両端をつなぎ合わせていく。

 

すぐにプラチナは強い光を帯び、仄暗いアトリエにオレンジ色の光を放ちはじめる。

その光から目を守るためにサングラスをかけ、プラチナが溶け合う瞬間を見定める。

 

細い炎の先端を接続部分に当てては外す、そのタッチを何度も繰り返しながら、来るべきタイミングを注意深く待ち続ける。

 

やがて、つなぎ目が溶け合い、ひとつのリングが生まれる。

 

その刹那、溶解が周囲にも広がっていくのがわかる。

 

金属に生じた微細な変化に、短距離走のスタートのように体を素早く反応させ、リングから火を外した。

 

つなぎ合わせたプラチナを円形に整えると、二本のリングがぴたりと重なり合い、嬉しくなった。

不意に、アトリエでお会いしたおふたりのことを、懐かしく思い出す。

 

思えば、透明な糸のようなつながりに導かれるようにして、ここまでやってきた。

その出会いは、偶然なのかもしれない。

けれど、だからこそ、確かにここにあると信じられる何かがある。

 

屋久島には、不思議な磁力のようなものが漂っているように思う。

この指輪作りも、あるいは、島に咲いた一輪の花のようなものかもしれない

 

雨音に包まれたアトリエの中で、心がどんどん平らになっていく。

まるでそのリズムに励まされているように、プラチナリングに向かい、長い時間手を動かし続けていた。

 

 

屋久島でつくる結婚指輪

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Water and sunlight. Time woven together. Flowers. #YakushimaWeddingRingsStories

The rings are gradually taking shape in my hands.

I feel that being able to share the time in which jewelry comes to life is an irreplaceable joy.

 

The platinum and pink gold were joined in the intense heat of the flame.

Each metal forms exactly half of the ring.

It was a rather demanding process to align them perfectly, but I think I managed to bring it together nicely.

 

As I worked, before I knew it, lantana was in full bloom in a corner of my garden.

In the shade of the tree, surrounded by dappled light, I looked at the finished ring.

Water and sunlight. Time woven together. Flowers.

Our meeting—yours and mine—has taken shape as two rings, now here.

 

Grateful to Yakushima for this beautiful encounter.

 

When I looked up, the evening clouds were tinted orange.

A faint sound of waves drifted in from the sea.

I let the image of the floral engraving spread quietly in my mind.

A cat noticed me and ran past.

And just like that, a day on the island passed gently.

◻︎

work in progress

Where Two Metals Are Shared #YakushimaWeddingRingsStories

ツワブキの指輪。大切な日に花を贈るように。#屋久島でつくる結婚指輪

大切な想いを込めて、花を手渡すように。

イエローゴールドとダイヤモンドでお仕立てした、ツワブキの指輪。

春の陽だまりの中に満ちる輝きを、どこかほほえましく思いながら眺めました。

 

ツワブキの指輪 18k yellow gold, diamond

 

新しい始まりを迎えるおふたりを祝福するように、春のあたたかな光がリングを包み込んでいます。

 

ゴールドでかたどった花は、7mmほどの繊細なフォルム。

リング部分はすっきりと細く、

指に纏うと、手の中に花が開いたように映って、ふと心が弾みます。

 

ツワブキは、屋久島の冬をやわらかく彩る黄色い花です。

南の島を包み込む冷たい風気の中、

庭先や散歩道に寄り添うように集まり、ぽこぽこと咲くその愛らしい佇まいを眺めながら、

ひかりそのもののような眩さに、いつも励まされています。

 

島に暮らすようになって大好きになったツワブキの花ですが、

ジュエリー作りへの憧れは、いつもこの島で過ごす時間の中にあるのかもしれません。

 

何気ない日々の喜びも、ふたりで分かち合うことができれば、素敵ですね。

 

緑の香りと、満ちていく光とともに、この指輪をお届けできたなら嬉しく思います。

 

 

彼が訪れ、その自然に魅了された屋久島に咲く花が、ひとつのジュエリーになりました。

 

新緑の季節を迎えた屋久島より。

大切なジュエリー作りをお任せいただき、本当にありがとうございました。

 

 

屋久島でつくる結婚指輪

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Where Two Metals Are Shared #YakushimaWeddingRingsStories

I successfully finished hammering the platinum ring, and shaped the pink gold into the same round-square form.

 

I was watching the brilliance of the rings against the green, feeling a deep sense of relief.

 

Each had its own character, yet I could feel something that resonated between them.

They were already one in my hands.

 

After the rain, my beloved wisteria came into bloom.

Moisture gradually filled the air, and the work was already entering its latter half.

As I cherished this irreplaceable moment, with droplets resting gently.

 

It felt like the most natural thing to create the ring, allowing the two metals to be shared within it.

 

I divided the platinum ring into two halves, and did the same with the pink gold.

There were two platinum halves and two pink gold halves on the workbench.

 

Each of them will wear the other half of the same ring — their destined other half.

Life is filled with joy when someone who shares the moments of everyday life is by your side.

Still, each custom-made piece, born from the couple’s cherished thoughts, is filled with new discoveries.

Surrounded by their happiness, I find myself quietly excited to explore a new design.

 

work in progress

In the Rhythm of the Island #YakushimaWeddingRingsStories