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春への扉、プラチナとシャンパンゴールドの結婚指輪づくり #屋久島でつくる結婚指輪

新緑の季節、おふたりが屋久島にお越しになる日に向けて、結婚指輪を作っている。

プラチナとシャンパンゴールドで紡ぐ、コンビネーションリングだ。

 

これまで一緒に育んできたイメージが、手の中で、少しずつ実際の形となっていく。

春への扉を思い切りよく開いたように、屋久島サウスではあたたかな風が吹き付け、木々は少しずつ緑色を濃くしてゆく。

 

そのような時間を前にすると、胸の奥に、ぐっとあたたかな感慨が込み上げてくる。

 

屋久島が祝福に包まれる春。

おふたりにとって、新しい始まりを迎える日へと近づいてゆく時間は、いつも爽やかな喜びに満ちている。

 

さて、今日のアトリエです。

ぴたりと合わさったプラチナとシャンパンゴールドを、丸くやわらかなフォルムへと削り出す工程が始まった。

どちらも硬くて耐久性の高い金属なのだけど、ゴールドには強固な安定感があり、プラチナにはしなやかな強さがある。

 

その両者が接するラインのある表面に、なだらかなカーブを描くため、微妙な手加減を加えながら鉄工ヤスリでガリガリと削り落としていく。

 

まずは目の粗いヤスリから始め、少しずつ目を細かくしながら丸く整えていく。

作業机の上に、キラキラと輝く衣を脱ぎ捨てるようにして、すっきりとしたフォルムが現れ始める。

 

リングの表面に均一でスムーズな流れを作り出すために、休むことなく一気に手を進めていかなくてはならない。

 

目指すべきリングの姿は、大きな金属の奥の方に見えている。

 

タッチを重ねるたびに、自分自身の中にある深い部分へと入っていくのがわかる。

まるで森の中を歩いているような感覚が、とても好きだなと思う。

 

ふと我にかえり、リングを作業台の上に置くと、大まかな造形が取れていることがわかった。

左右の均整も取れている。少しずつ目減りしていく寸法も予定通りの進捗だ。

わたしなりに大切にしているいくつかの項目を確認できたところで、ここでようやく作業の手を一度止めることにした。

 

朝の散歩で、山の麓に広がる森を歩いた。

深い緑に包まれた道を歩きながら木々を見上げると、その世界を包み込むひかりが眩しくて、思わず目を細めた。

 

屋久島でつくる結婚指輪

オーダーメイドのお問い合わせはこちらまで
hp@kei-jewellery.com
tel: 0997-47-3547

 

制作編

シャンパンゴールドとプラチナ。海と月の結婚指輪づくり #屋久島でつくる結婚指輪

シャンパンゴールドとプラチナ。海と月の結婚指輪づくり #屋久島でつくる結婚指輪

夕暮れの時刻が、少しずつ遅くなってきている。

午後6時を過ぎても、西の空はまだ、ほのかに明るい。

これも、島に訪れた春からの贈り物なのかもしれない。

そう思うと、なんだか幸運に恵まれたような気持ちになり、海の見える丘まで車を走らせ、久しぶりにサンセットを眺めていた。

 

海を眺めると、ちょうど山の向こうへ太陽が沈む頃合いだったようで、空がオレンジ色のグラデーションを描いていた。

色彩の移ろいは、刹那の出来事でありながら、永遠に触れているかのような静けさを湛えている。

まるで花が咲き連なるように、時間が重なり、やわらかく彩られてゆく。

 

ほんの数分だったのだろうか。あるいは、もっと長い時間だったのかもしれない。

気がつけば、あたりはずいぶんと暗くなってきていた。

 

そろそろアトリエに戻り、作業の続きを進めていかなくては。

遠くの方から、冷たい海風が漂ってきた。

 

 

長く下準備を続けてきた工程を経て、アトリエではいよいよ本格的な造形作業に入ることになった。

 

立体的なフォルムに鋳造したプラチナとシャンパンゴールドを、ぴたりと合わせていく。

バーナーの炎に包み、1000度近くまで地金の温度を上げたところで、その隙間へ融点の低いゴールドをすっと流し込んでいく。

 

重ね合わせた金属同士がずれてしまわないように、温度を上げすぎて溶けてしまわないように、細心の注意を払いながら、慎重にタッチを重ねていく。

序盤から立ちはだかる難所ではあるが、道は確かに見えていたように思う。

 

まず彼女のリングを無事につなぎ終え、そのまま間を置かず彼のリングに取り掛かる。

風を切り走りながらバトンを渡すように、交互に同じ工程を繰り返していく。

 

溶接作業を無事に終え、リングの表面を紙やすりでざっと削り整えると、そこに二つの色が現れた。

 

シャンパンゴールドが側面から内側を形づくり、

表面から側面へと連なる部分は、プラチナが担っている。

 

その佇まいからは、揺るがない落ち着きのようなものが感じられる。

 

素性の異なるふたつの素材を、うまくつなぎ合わせることができたように思う。

仕上がりの美しさと、暮らしに寄り添う強さを左右する大切な工程を無事に終え、ほっと肩を撫で下ろしていた。

 

海からの帰り道、空に白い月を見つけた。

車を走らせるたびに、月は大きくなったり、小さくなったりする。

 

海で眺めたサンセットもそうだけれど、場所や時間が変わるだけで、光は実に豊かな表情を見せてくれる。

それが興味深く、いつも夢中になってしまう。

 

ジュエリーづくりのインスピレーションは、すべてここにあるように思う。

 

おふたりの結婚指輪が、いつも新鮮な喜びを、日々の暮らしに添えてくれるものになれば、どれだけ素敵なことだろうと思う。

 

色彩でつながる、ベビーリングのかたち #屋久島でつくる結婚指輪

山の裾野に続く段々畑に、ひまわりが咲いた。

秋には稲穂が波打つこの場所では、その季節までのあいだ、ひまわりやコスモスが育てられ、土を豊かに整えてゆく。

 

ひまわりと稲穂は、なんとも南国らしい取り合わせだと思ったけれど、

そういえば、その両方がご家族のリングのモチーフになっていた。

豊かな響き. 屋久島からお二人にお届けする“稲穂模様の結婚指輪” #屋久島でつくる結婚指輪

 

結婚指輪をお届けしたおふたりに、赤ちゃんが生まれた記念としてお作りしている小さなリングは、造形の工程を無事に終えたところだ。

 

これから刻印を入れ、誕生石をセットして、いよいよ完成を迎えることになる。

その前に、三つの金属により紡がれたフォルムを眺めておこうと思う。

爽やかな青空の下で煌めいていた、あの光の印象とともに。

 

イエローゴールドとピンクゴールド、プラチナがちょうど三分の一ずつ並んだ。

ころりと丸いラウンドシェイプは、お父様とお母様のリングとお揃いのデザインである。

 

それぞれは確かな個性を持った金属であり、

同時に、ひとつのリングでもある。

 

三人家族だから三色。

四人家族なら四色。

いずれは、大家族にもチャレンジしていきたい。

 

ご家族の大切な想いに導かれるようにして出会えた、ひらめきだった。

ベビーリングの素敵なアイデアが生まれたように思う。

 

はじめて結婚指輪作りのご相談をいただいてから、もう3年を過ぎたけど、

いつもあたたかな気持ちを、ありがとう。

 

ゆっくりと育まれゆくご家族の時間のそばで、こうしてひとときご一緒をできることを、何よりの幸せに思いながら。

 

屋久島でつくる結婚指輪

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制作編

家族の時間を受け継ぐ、小さなリング #屋久島でつくる結婚指輪

 

家族の時間を受け継ぐ、小さなリング #屋久島でつくる結婚指輪

3色の金属をひとつに合わせ、赤ちゃんの指のサイズに仕立てると、

指先にちよこんと乗るほどの、小さなリングになりました。

その静かな佇まいを眺めているだけで、胸のずっと奥の方から、愛おしさが溢れてきます。

 

リングの中にあるプラチナとピンクゴールドは、お母様とお父様の結婚指輪とお揃いの素材で、

そこへ新たにイエローゴールドを重ねようと思いついたのは、ほとんど直感的なことでした。

その眩い煌めきが、赤ちゃんのお名前から受けた印象に、ぴたりと重なったのです。

 

 

手をつなぎ、ひとつの輪を描くように。

ご家族の絆の物語。3色のベビーリングをつくる #屋久島でつくる結婚指輪

 

さて、アトリエです。

小さな小さなリングは、お母様とお父様の結婚指輪とお揃いのフォルムに仕立てていきます。

なにせ、12mmにも満たないサイズですから、

指先でつまむように支え、そっと鉄工ヤスリを当てなくてはなりません。

 

ベビーリングは、ころりとした丸みがある方が、その可愛さがいっそう際立つので、金属にはしっかりと厚みを持たせ、豊かな質感へと仕上げていきます。

 

ご家族の時間とともに受け継がれていくリングです。

視覚的な美しさに加え、芯の通った強さのようなものもまた、そこに宿しておきたいと思うのです。

 

あるいはこのリングは、わたしよりもはるかに長い時間を在り続けるのかもしれない。

そう思うと、どこまでも果てしない気持ちに包まれます。

それは、大地や海、そして空を巡る時間そのものなのでしょう。

そこに私たちの時間が重なり、響き合っているのだと思うと

今、ここに在ることが、揺るぎない奇跡のように感じられるのです。

 

屋久島でつくる結婚指輪

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ご家族の絆の物語。3色のベビーリングをつくる #屋久島でつくる結婚指輪

イエローゴールド、ピンクゴールド、そしてプラチナ。

三種類の金属を合わせて、指輪を作っている。

それぞれの金属が手をつなぎ、ひとつの輪を描くように。

 

そのフォルムは、愛おしく思えるほど小さい。

 

作業台の上にゆらめくバーナーの炎を眺めながら、

数年前のリング作りのことを、懐かしく思い出していた。

 

豊かな響き. 屋久島からお二人にお届けする“稲穂模様の結婚指輪” #屋久島でつくる結婚指輪

大阪に暮らすおふたりに結婚指輪をお届けしたのは、島が深い雨に包まれる梅雨の終わり頃だった。

お互いの一部分を交換するように、という想いを込めて、ピンクゴールドとプラチナでお仕立てしたコンビネーションリングのことは、今でもはっきりと覚えている。

タイミングが重なり、彼とは大阪で直接お会いすることもできた。

 

あれから、二年半ほどが過ぎ、久しぶりに届いたおふたりからのメールが、今回の指輪作りのきっかけとなった。

「出産の記念になるようなジュエリーが欲しいと思っております。」

 

作業をしやすいよう、イエローゴールドとピンクゴールドはやや長めに寸法をとっておいた。

それでも、とても小さく、くるりと巻いていくのはなかなか大変だった。

 

なにせ、生まれて数ヶ月の赤ちゃんの指に合わせるリングだ。

金属の枠にリングを当て、金槌でコンコンと叩きながら、ゆっくりと円形に近づけていく。

少しずつではあるが、三つの金属がひとつになってゆく。

 

赤ちゃんの小さな指輪のサイズは、細い紙を指に巻いて測っていただいた。

交差するところにマジックで印をつけた紙が、つい先日、島に届いた。

その細い紙が知らせてくれる赤ちゃんの小ささを思い、言葉にはならない想いが溢れてきた。

 

たしかに、かたちのあるジュエリー作りではあるけれど、

小さなリングへと紡いでいくのは、ご家族の絆の物語なのかもしれない。

 

三つの色をひとつにするベビーリングのデザインが生まれてきたのは、とても自然なことだったように思う。

 

指輪作りの始まりを合図にするように、島には春が訪れた。

毎晩のようにやわらかな雨が降り、

朝になると、庭先ではいつも新しい景色に出会うことができる。

 

きっとこうしている間にも、赤ちゃんは、驚くほどに大きくなっていくのだろうなあ、と、

海の向こうを思いながら、一日の作業の準備を始め、幸せな気持ちに包まれていた。

 

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