
夕暮れ時に雨が上がりました。
リングの造形作業もちょうどひと段落したところだったので、少し遠出をして海に出かけることに。
ビーチサンダルとタオルを積んで、島の西側へ車を走らせました。
浜辺を歩くと、差し込みはじめた日差しがまぶしく、海からの風も暖かかった。
細やかな作業の多いジュエリーづくりなので、こうして広い場所で遠くを眺めているだけで、目も心も癒されます。
長く続いた集中がふわりと解けていく中で、一日の作業をゆっくりと振り返っていました。

リングを削り出すときは、表面にいくつかのガイドラインを罫書き、それを頼りにヤスリを入れていきます。
線を超えないよう、角度を保ちながら、リング一周に均一なタッチを重ねていきます。
手にダイレクトに伝わってくる、イエローゴールドの生の質感が心地よい。
ラウンドシェイプのリング作りでは、全体の均整を保つことが、ひとつの要になります。
片面を少し削ると、反対側を同じ分量だけ削り出す。
その単純な往復のリズムを、何度も繰り返していきました。

削り出しの作業では、滑らかなラインを生み出すため、できるだけ途中で手を止めないようにしているのですが、
それだけに、作業が無事にひと区切りついたときの安堵感がすごいです。
気がつけば、昨夜から降り続いていた雨も上がっていたので、
リングを手に庭先に出て、緑の中でそのシルエットを眺めました。
3.0mm幅、ラウンドシェイプ。
そのフォルムから、イエローゴールドの質量と光を確かに感じ取ることができます。
やわらかなカーブなので手触りはやさしく、小さな傷がついても、メンテナンスを重ねながら長くお使いいただけるだろう。
まだ作業の途中ではあるけれど、近い未来のことを想い、春のひかりが降り注ぐような、キラキラとした喜びに満たされていました。

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