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安らぎと、移ろいゆく光を纏うこと #屋久島でつくる結婚指輪

日に日に空が澄み渡る。爽やかな秋の陽光を受けて海が煌めいている。
それでも、島にはまだ南国特有の暑さが残っている。

おふたりの結婚指輪作りは、大切な造形の工程を無事に終えることができた。
洗練されたアウトラインに仕上がったように思う。

そしてもう一つ。
とりわけ大事にしたのは、指に触れたときの心地よさだった。

 

造形作業の間、何度も自分自身の指にリングをはめ、入念につけ心地を確かめてきた。
彼のリングは薬指に、彼女のリングはわたしの小指にぴったりのサイズだった。

丸くなめらかに整えた内側は、指に触れる感覚がとてもやさしい。
どこか安心できる、というのだろうか。
とても軽やかなのに、プラチナの確かな重さが伝わってくる。

木々を通り抜けて届く光を受けて、プラチナは鮮やかに輝き、削り出した斜面には深い影が生まれていた。

リングは形をもっているけれど、移ろいゆく光そのものを纏うような。
そんな表情に仕上げることができればと思っている。

 

磨き仕上げの具合によって、質感や温度感が大きく変わっていくのも、プラチナならではの魅力であるように思う。

これからいよいよ完成に向けた作業に進むわけだけど、この続きはまた別のお話で。
世界にひとつだけの結婚指輪の完成は、もう少し先のお楽しみに。

 

屋久島でつくる結婚指輪

オーダーメイドのお問い合わせはこちらまで
hp@kei-jewellery.com
tel: 0997-47-3547

制作編

プラチナリングに宿る小さな息吹 #屋久島でつくる結婚指輪

プラチナリングに宿る小さな息吹 #屋久島でつくる結婚指輪

ふたつのプラチナリングに小さな息吹が宿り始めている。

数日間に及ぶ造形作業に使う道具は、なかなか多い。
削り出しの作業を終えたのち、指輪よりもずっと大きな工具を使い分けながら、アウトラインに緩やかなカーブを施していった。

鉄の枠にリングを納め、コンコンとハンマーで叩いていく。
するとプラチナは枠のカーブに沿って形を変えていく。
その度に円の中心を整え、サイズを測り、同じ工程を繰り返しながら湾曲を深めていく。

目指すシルエットが現れるまで、少しずつ、コツコツと。

それは地味ではあるが、完成へ向けて確かなイメージと粘り強さが求められる、とても大切な工程となった。

 

おふたりのリングは、手の中で眺めるたびに新しい表情を見せてくれるように、巡りゆく流れやリズムを大切に作り進めている。

それは、打ち寄せる波や月の満ち欠け、あるいは山々を通り抜ける風のようなものかもしれない。

ふとした瞬間に思わずリングをくるくると遊んでしまうような、わたし自身もどこか懐かしい気持ちに包まれて作業机に向かっている。

 

ずいぶんと冷え込んだ朝だった。

そういえば、プラチナにはその輝きと同じくらい、静かに影を落とす部分にも魅力があるように思う。

 

作業がひと段落したところで、庭先に出てリングを緑の中で眺めてみた。
午後の日差しを受け、プラチナリングの表面にやわらかな光が巡っている。

まだまだ荒削りではあるが、ふたつのシルエットはそれぞれの個性を持ちながら、同じ時の流れの中にあるように見えた。

なかなか上手くできている。

確かな手応えを感じながら、次はつけ心地を左右する内側の加工へと手を進めることにした。

これから長くお使いいただく結婚指輪だ。
表には見えないけれど、体と心に響く部分の造形を大切に作り上げていきたい。

 

もう10月も半ばに差し掛かったというのに、ハイビスカスが驚くほど元気だ。

ありがとう、屋久島。

いよいよ指輪作りも折り返し地点を過ぎたところだ。

 

屋久島でつくる結婚指輪

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制作編

心に残るプラチナの響き #屋久島でつくる結婚指輪

心に残るプラチナの響き #屋久島でつくる結婚指輪

心に残る朝の時間でした。
海と空が描く、秋のグラデーションが大好きです。

 

 

島に訪れた色彩豊かな秋。
季節のゆるやかな移ろいとともに歩みを進める、おふたりの結婚指輪づくり。

癒しに満ちたオーダーメイドの日々 #屋久島でつくる結婚指輪

 

光と影が織りなす色彩のグラデーション、硬くて柔らかな手触りも。
プラチナには実に豊かな表情があって、その奥深い魅力を表現したいと思うようになったのは、屋久島の季節のおかげかもしれません。

島の暮らしの中で出会う癒しを、この指輪作りを通しておふたりと分かち合うことができれば、何よりも素晴らしいことだと思うのです。

つけ心地を大切にお届けするジュエリー作りでは、しっかりと寸法を取りながら造形作業を進めてまいります。
小さなリングの表面には何本かのけがき線を入れ、削り出し作業のためのガイドラインを設けました。
さらに黒いマジックを使い、三日月型の曲線を二箇所ずつ、2本のリングに描きました。
彼と彼女のリングに、それぞれ同じ縮尺の模様を。

実のところ、このような採寸と罫書きの作業は、コンピュータを使うこともできるのですが、
わたし自身の手で進めていくことが何よりのこだわりであったりもします。

手作業から生まれるある種の揺らぎが個性となり、その一つだけの揺らぎに、わたしたちは時には魅せられ、時には共感する。
そこには数値では測ることのできない、確かな繋がりが生まれていくように思うのです。

 

二本の鉄工ヤスリを使い、彼のリングを削り出していきました。
まずは大きく滑らかな流れができるよう、思い切りよく手を動かしていきます。
心にまかせて進める感覚的な工程を、細やかに描いたガイドラインが助けてくれます。

長い時間作業に夢中になりました。
大まかな形が見えてきたところで、ふたつのリングを並べてみると、こんなにもたくさんのプラチナを削り出したことがわかりました。
削り出されたラインと、マジックで描いたラインがひとつに重なり合っています。

それを確認し、次は彼女のリングへと作業をバトンタッチすることに。

こうして交互に手を加えていくことで、響き、というのでしょうか。
互いのリングに同じ時間が宿るような気がします。

 

束の間の雨降りでした。
今年は暑い日が続いていますが、気がつけばどこか雨を心待ちにしている自分がいます。
この包み込まれるような潤い。香り立つみどり。
やっぱり屋久島の時間には癒されます。

心が平らになっていくような静けさに満たされながら、おふたりとの結婚指輪作りはゆっくりと続いてゆくのでありました。

 

屋久島でつくる結婚指輪

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若葉と潤うひかりの結婚指輪 #屋久島でつくる結婚指輪

若葉と潤うひかりの結婚指輪が完成しました。
長い時間をご一緒した指輪作りがひと段落し、アトリエの庭には秋の花が咲きました。
花とふたつが寄り添い、屋久島の色彩と静かに響き合っていました。

 

 

若葉の指輪と一緒につけていただけるように、婚約指輪は菜の花をモチーフにお作りいたしました。
重なり合い、ひとつになる婚約指輪と結婚指輪。

満ちる喜びに咲いたナノハナの指輪 #屋久島でつくる結婚指輪

おふたりから初めてお便りをいただいたのは、島が深く長い雨に包まれていた梅雨の頃でした。
指輪作りの間には、いくつかの台風が島を通り過ぎました。
庭先にはハイビスカスやツユクサが咲き、ときおり降り注ぐスコールが大きな虹を見せてくれました。

はじまりの合図 #屋久島でつくる結婚指輪

 

デザイン作りから指輪が完成するまで、海をこえてサンプルリングをお送りし、たくさんのメッセージをかわしてきました。ビデオでお話しすることもできました。

それまではお会いしたことのなかったおふたりですが、日を重ねるごとに少しずつ、大切な何かを分かち合ってきたように思うのです。
指輪作りにまつわる数々の出来事が、今から思うととても貴重で、愛おしいものだったように感じられます。

これまでずっと、ありがとう。
おふたりとご一緒した数ヶ月のことを、もう懐かしく思いながら。

庭に咲いた花の傍で、そっとリングを手に取ってみる。
磨き上げたプラチナの表面に、屋久島の秋の豊かな色彩が映り込んでいました。

彼女のリングは菜の花の若葉をモチーフに。
彼のリングはシンプルなラウンドシェイプにお仕立てしました。

異なる個性を持つふたつのリングが、重なり合ってひとつのハーモニーを奏でているように見えたのは、
雨の雫のようにぽつりぽつりと散りばめたアイスブルーダイヤモンドが、互いをゆるやかにつないでいるからでしょう。

若葉の指輪に添えたシャンパンゴールドは、実は婚約指輪としてお作りしたナノハナの指輪と同じ素材を分かち合っているのですよ。

硬く丈夫な金属から生まれた指輪なのに、そのやわらかな佇まいを眺めていると、不思議とここに咲いたばかりの花のように思えてきました。

葉っぱをモチーフにした結婚指輪には、彼女のお名前への想いも込められています。
おふたりの物語をひとつの形にするように、ひとつひとつ丁寧に、昔ながらの手作業でお仕立ていたしました。
そのような喜びに満ちた時間は、わたしにとっても特別で、かけがえのないものになりました。

 

おふたりと相談を重ねて選んだ刻印も、とても素敵に仕上がりました。
植物のようにやわらかで、大切な想いが詰まっている。
おふたりだけの結婚指輪が生まれたように思います。

森の緑が深まりゆくように、リングもまた、長い時間をかけて育まれてゆくのかもしれません。
その未来を思うと、明るい希望が胸に広がります。

 

夕暮れ時の空にはオレンジ色に染まったうろこ雲が広がり、島に新しい季節の訪れを告げています。
そしてわたしたちもまた、新しい日々へと歩み始めるときがやってきました。

いつの日か、おふたりで屋久島にいらしてくださいね。
喜びに満ちた指輪作りのひとときを、ありがとうございました。

 

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癒しに満ちたオーダーメイドの日々 #屋久島でつくる結婚指輪

鳥たちが島に帰ってきた。
青く澄み渡る空を羽ばたく群れに出会うと、秋の訪れとともに、いよいよ冬が近づいてきたことを感じる。

それでもまだ日中は日差しが強く、海水温もトランクスで泳げるほどに高いのは、南の島での暮らしならではの恩恵であるように思う。

 

新しい情景に新しい色。毎日が出会いに満ちている。
美しき季節の移ろいの中で、おふたりの結婚指輪を作っている。

屋久島の秋と、プラチナの響き #屋久島でつくる結婚指輪

 

島に暮らしていると、季節や時間の巡りの中に自分自身があることを実感させられる。
月の満ち欠けも、雨降りも、浜辺に打ち寄せる波も。
全てのものが近しく感じられて、深い安らぎに包まれる。

そのすべての巡りのようなものをジュエリーとして表現するようになったのは、とても自然なことだったように思う。

ふたりが寄り添い、いろとりどりのハーモニーを奏でるように。

さて、今日も作っている。

ジュエリー作りでは、火を使う工程が多い。
焼き鈍して丸く整えたプラチナを酸素トーチの炎で包み、両端を繋ぎ合わせていく。

接続部分のわずかな隙間に融点の低いプラチナを溶かして流し入れるのだが、リングが溶けてしまわないよう、火力には細心の注意を払わなければならない。

これまで数え切れないほど繰り返してきた作業ではあるが、とても新鮮で、実のところ心躍る時間でもある。

 

無事に繋ぎ合わせたのち、表面を鉄工やすりと紙やすりでざっと削り整えた。
ふたつのリングを庭先に持ち出し、緑の中で眺めることにした。

そっと重ね合わせてみると、彼女のリングが彼のリングの中にぴたりと収まる。
その佇まいを見ていると、なんだか嬉しくなってくる。
出会うことって素敵だなあと、あたたかな気持ちが溢れてきた。

 

大切な想いだったり、南国の生き生きとした色彩だったり、癒しに満ちたオーダーメイドの日々であるように思う。

おふたりとの出会いに、ありがとう。
いつも指輪作りに寄り添っていてくれる屋久島に、ありがとう。

 

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