
およそ5mmほどの大きさだろうか。
イエローゴールドをかたどって、小さな花の指輪を作っている。
重ねていくひとつひとつのタッチは、繊細でやさしい。
花はそれぞれに表情を変え、三つ揃えた。
その花をリズムよく並べる前の段階として、表面を端正に整えておく。
精密ヤスリからはじめ、紙ヤスリへと、徐々に目を細かくしながら磨きあげていく。
同じ工程を何度も繰り返すたびに、ゴールドの花が、少しずつではあるが確かに、生き生きとした表情のようなものを宿していくのがわかる。
その様子を手の中に眺めていると、
まるで本当に花が咲く瞬間に立ち会っているみたいで、楽しくなる。
心励まされるひとときだ。

リングは、おふたりの大切な日に合わせてお渡しすることになっているのだけど、
それは、始まりのときに向かって歩んでいくような、希望に満ちた感覚かもしれない。
島の南部では、菜の花が満開を迎えた。
里は微笑みのようにやわらかなひかりに包まれ、
海から吹くあたたかな風が、近い春の到来を約束している。
季節の巡りに歩みを合わせながら、指輪が少しずつそのかたちをなしてゆく。
わたしと同じ屋久島南部に暮らす彼と、そのようなひとときを分かち合えるのも、嬉しい。

大好きな菜の花をモチーフにして、これまで何度もジュエリーを作ってきているけれど、
ひとつひとつは、いつも新しい表情をたずさえて生まれてくる。
おふたりの大切な想いが、リングを育んでいく。
屋久島の季節に、ありがとう。
おふたりとの素敵な出会いに、ありがとう。
どんなリングに出会うことができるのだろう。
わたし自身も、静かに胸を弾ませながら作業机に向かっている。

オーダーメイドのお問い合わせはこちらまで
hp@kei-jewellery.com
tel: 0997-47-3547
















