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家族の時間を受け継ぐ、小さなリング #屋久島でつくる結婚指輪

3色の金属をひとつに合わせ、赤ちゃんの指のサイズに仕立てると、

指先にちよこんと乗るほどの、小さなリングになりました。

その静かな佇まいを眺めているだけで、胸のずっと奥の方から、愛おしさが溢れてきます。

 

リングの中にあるプラチナとピンクゴールドは、お母様とお父様の結婚指輪とお揃いの素材で、

そこへ新たにイエローゴールドを重ねようと思いついたのは、ほとんど直感的なことでした。

その眩い煌めきが、赤ちゃんのお名前から受けた印象に、ぴたりと重なったのです。

 

 

手をつなぎ、ひとつの輪を描くように。

ご家族の絆の物語。3色のベビーリングをつくる #屋久島でつくる結婚指輪

 

さて、アトリエです。

小さな小さなリングは、お母様とお父様の結婚指輪とお揃いのフォルムに仕立てていきます。

なにせ、12mmにも満たないサイズですから、

指先でつまむように支え、そっと鉄工ヤスリを当てなくてはなりません。

 

ベビーリングは、ころりとした丸みがある方が、その可愛さがいっそう際立つので、金属にはしっかりと厚みを持たせ、豊かな質感へと仕上げていきます。

 

ご家族の時間とともに受け継がれていくリングです。

視覚的な美しさに加え、芯の通った強さのようなものもまた、そこに宿しておきたいと思うのです。

 

あるいはこのリングは、わたしよりもはるかに長い時間を在り続けるのかもしれない。

そう思うと、どこまでも果てしない気持ちに包まれます。

それは、大地や海、そして空を巡る時間そのものなのでしょう。

そこに私たちの時間が重なり、響き合っているのだと思うと

今、ここに在ることが、揺るぎない奇跡のように感じられるのです。

 

屋久島でつくる結婚指輪

オーダーメイドのお問い合わせはこちらまで
hp@kei-jewellery.com
tel: 0997-47-3547

ご家族の絆の物語。3色のベビーリングをつくる #屋久島でつくる結婚指輪

イエローゴールド、ピンクゴールド、そしてプラチナ。

三種類の金属を合わせて、指輪を作っている。

それぞれの金属が手をつなぎ、ひとつの輪を描くように。

 

そのフォルムは、愛おしく思えるほど小さい。

 

作業台の上にゆらめくバーナーの炎を眺めながら、

数年前のリング作りのことを、懐かしく思い出していた。

 

豊かな響き. 屋久島からお二人にお届けする“稲穂模様の結婚指輪” #屋久島でつくる結婚指輪

大阪に暮らすおふたりに結婚指輪をお届けしたのは、島が深い雨に包まれる梅雨の終わり頃だった。

お互いの一部分を交換するように、という想いを込めて、ピンクゴールドとプラチナでお仕立てしたコンビネーションリングのことは、今でもはっきりと覚えている。

タイミングが重なり、彼とは大阪で直接お会いすることもできた。

 

あれから、二年半ほどが過ぎ、久しぶりに届いたおふたりからのメールが、今回の指輪作りのきっかけとなった。

「出産の記念になるようなジュエリーが欲しいと思っております。」

 

作業をしやすいよう、イエローゴールドとピンクゴールドはやや長めに寸法をとっておいた。

それでも、とても小さく、くるりと巻いていくのはなかなか大変だった。

 

なにせ、生まれて数ヶ月の赤ちゃんの指に合わせるリングだ。

金属の枠にリングを当て、金槌でコンコンと叩きながら、ゆっくりと円形に近づけていく。

少しずつではあるが、三つの金属がひとつになってゆく。

 

赤ちゃんの小さな指輪のサイズは、細い紙を指に巻いて測っていただいた。

交差するところにマジックで印をつけた紙が、つい先日、島に届いた。

その細い紙が知らせてくれる赤ちゃんの小ささを思い、言葉にはならない想いが溢れてきた。

 

たしかに、かたちのあるジュエリー作りではあるけれど、

小さなリングへと紡いでいくのは、ご家族の絆の物語なのかもしれない。

 

三つの色をひとつにするベビーリングのデザインが生まれてきたのは、とても自然なことだったように思う。

 

指輪作りの始まりを合図にするように、島には春が訪れた。

毎晩のようにやわらかな雨が降り、

朝になると、庭先ではいつも新しい景色に出会うことができる。

 

きっとこうしている間にも、赤ちゃんは、驚くほどに大きくなっていくのだろうなあ、と、

海の向こうを思いながら、一日の作業の準備を始め、幸せな気持ちに包まれていた。

 

屋久島でつくる結婚指輪

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屋久島の季節の中で、おふたりのリングをつくること。#屋久島でつくる結婚指輪

冬のあいだに、小ぶりなバナナがぽこっと実った。

それを収穫してしまおうか、もう少し待とうかと、ここのところずっと迷っている。

 

それにしても、暑いほどの陽気だ。

 

山々は春の霞に包まれ、名前も知らぬ白や黄色の花が、やわらかな風に揺れている。

屋久島サウスに、ほのぼのとした時間が流れてゆく。

そして、わたしは今日もジュエリーを作っている。

 

 

同じ島の、同じ季節を分かち合いながら進めるオーダーメイドは、いつも喜びに溢れている。

気がつけば長い制作になったけれど、いつもありがとう。

金属が携える、永遠に近い時間 #屋久島でつくる結婚指輪

 

手の感覚を頼りに行う作業だから、いくつものタッチを重ねるたび、そこには“小さな揺らぎ”のようなものが、少しずつ蓄積されていくことになる。

その、個性とも呼べる揺らぎの集積に、どうしようもなく惹きつけられてしまう。

 

三つ連ねたゴールドの花は、細いリングにぴたりと寄り添うように組み合わせた。

作品の大きな土台と呼べるものが整い、ここから細やかな装飾を重ねていく。

 

ハサミを使い、イエローゴールドの薄い板を小さく切り落とし、その破片を朴炭の上に載せて、バーナーの火を当てる。

一定の温度に達すると、真っ赤になった炭の上で、ゴールドはキュッと丸く、その形を変化させる。

 

自由な気持ちで破片をいくつも切り落とし、大小さまざまなゴールドの粒をいくつかこしらえた。

まるで、春休みの自由研究をしているみたいに。

今というこの瞬間が、そのままかたちになるようなモノづくりが、とても好きだ。

 

そして、酸素トーチの細い炎を使い、その金粒をリングに装飾していった。

必要な場所に、必要な大きさの粒を、ひとつずつ。

一箇所の溶接が終わるたび、全体のバランスを確かめ、次の溶接に取りかかる。

途中、何度も酸洗いを行い、繋ぎ目が完璧に仕上がっているかを確かめた。

 

リングの制作はいよいよ終盤に差し掛かり、それと同時に、おふたりにとっての新しい日々の始まりが、すぐそこまで近づいていることに気づく。

わたしたちはいつも、ゴールとスタートを繰り返しながら歩んでいく。

 

未来を思う晴々しい気持ちと、なんだか今を愛おしく思う気持ちを同時に抱きながら、

作業机に向かい、コツコツと手を動かし続けていた。

 

屋久島でつくる結婚指輪

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金属が携える、永遠に近い時間 #屋久島でつくる結婚指輪

春めいた雨が降るようになってきた。

緑を薄いベールでそっと覆うような、やわらかな雨だ。

朝靄のフィルターを通り抜けて届く光が、眩しい。

 

フリースベストを羽織り、まだわずかに冷たさの残る庭先に出て、

雫の装飾を纏った一年ぶりの景色を、久しぶりの友人に再会したみたいに、親しみを込めて眺めていた。

 

 

同じ島に暮らす、お二人の大切な日に向けて、ナノハナの指輪を作っています。

素敵な出会いからはじまるジュエリーづくり #屋久島でつくる結婚指輪

 

あたりまえのことかもしれないけれど、南の島に訪れる春は、とても早い。

冬のあいだ、静かに息を潜めていたのも束の間、山々の雪解けを合図に、島はいきいきとした躍動の日々を迎えることになる。

新緑の季節が到来し、草花は歌うように命をひらく。

その響きに励まされ、わたしたちは日々の暮らしを営んでいく。

 

ときには、勢い余る草から暮らしの場所を守る、小さな戦いであったりもするのだけれど。笑

たくさん体を動かし、その日々の中に、いくつものあたらしい発見や感動に出会うことになる。

 

春の訪れを約束する菜の花をモチーフにした指輪は、まさにそのような暮らしの中に生まれたジュエリーだと思う。

 

さて、今日のアトリエです。

ピンセットとルーペを使う細やかな工程が続くので、心を静かに整えながら進めていきたい。

花と花、そしてリングとを接続するとき、バーナーの炎に包みながら、その隙間に融点の低いゴールドを流し込むのだけど、

本体が溶けてしまわぬよう、温度の調整には最大限の神経を注がなくてはならない。

 

バランスと角度を確かめ、慎重に調整しながら、1箇所ずつ接続作業を行っていく。

 

数えてみると、造形作業が終わるまでに溶接を施すところは、およそ30箇所だった。

 

1000度近くで溶け、常温まで戻ると強固なゴールドとなる。

丁寧な手作業により仕立てられたジュエリーは、このあと想像以上に長い時を存在していく。

 

そう考えると、ひとつひとつのタッチが、とても大切なものに思えてくる。

そこに流れているのは、金属が携える、永遠に近い時間なのかもしれない。

 

3つの花を、リズムよく並べることができた。

リングは、細いゴールドの線を2本重ね、連ねた花をしっかりと支えるように整えた。

 

どこまでも繊細でありながら、風雨にも耐えるしなやかさを宿している。

島の花々に近づくことができるよう、

残りのタッチを、丁寧に重ねていきたいと思う。

 

屋久島でつくる結婚指輪

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素敵な出会いからはじまるジュエリーづくり #屋久島でつくる結婚指輪

およそ5mmほどの大きさだろうか。

イエローゴールドをかたどって、小さな花の指輪を作っている。

重ねていくひとつひとつのタッチは、繊細でやさしい。

 

花はそれぞれに表情を変え、三つ揃えた。

 

その花をリズムよく並べる前の段階として、表面を端正に整えておく。

精密ヤスリからはじめ、紙ヤスリへと、徐々に目を細かくしながら磨きあげていく。

同じ工程を何度も繰り返すたびに、ゴールドの花が、少しずつではあるが確かに、生き生きとした表情のようなものを宿していくのがわかる。

 

その様子を手の中に眺めていると、

まるで本当に花が咲く瞬間に立ち会っているみたいで、楽しくなる。

 

心励まされるひとときだ。

 

リングは、おふたりの大切な日に合わせてお渡しすることになっているのだけど、

それは、始まりのときに向かって歩んでいくような、希望に満ちた感覚かもしれない。

 

島の南部では、菜の花が満開を迎えた。

里は微笑みのようにやわらかなひかりに包まれ、

海から吹くあたたかな風が、近い春の到来を約束している。

 

季節の巡りに歩みを合わせながら、指輪が少しずつそのかたちをなしてゆく。

わたしと同じ屋久島南部に暮らす彼と、そのようなひとときを分かち合えるのも、嬉しい。

 

大好きな菜の花をモチーフにして、これまで何度もジュエリーを作ってきているけれど、

ひとつひとつは、いつも新しい表情をたずさえて生まれてくる。

おふたりの大切な想いが、リングを育んでいく。

 

屋久島の季節に、ありがとう。

おふたりとの素敵な出会いに、ありがとう。

 

どんなリングに出会うことができるのだろう。

わたし自身も、静かに胸を弾ませながら作業机に向かっている。

 

屋久島でつくる結婚指輪

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