屋久島サウスに、南国特有の強い日差しが降り注いでいる。
空は青く澄み渡り、漂う入道雲は、どこまでも白くて分厚い。
今年は梅雨が早く終わったこともあり、そのあと、いきなり訪れた本格的な夏の力強さに、ただただ圧倒されている。
それでも、森があるおかげで、島の暮らしはいくぶん涼やかで、思いのほか過ごしやすい。
川へ向かえば、冷たい水と風に包まれ、夕暮れどきには、海で遊ぶこともできる。
赤いハイビスカスを眺めながら、スコールを心待ちにする日々だ。
ちょうど今、アトリエでは、屋久島の海からいただいた夜光貝に、イエローゴールドと組み合わせて、イヤリングを作っているのだけれど、そのモチーフが水であったり光であったりするのも、なるほど。
森があって、雨が降り、川が流れ、やがて海にたどり着く。
循環するリズムに影響を受けて、これまでたくさんのジュエリーが生まれてきたのは、とても自然なことだったのかもしれない。
夜光貝とイエローゴールドは、小さくて丸いかたちを、たくさん削り出した。
それらを丁寧に磨き上げ、ひとつひとつを組み合わせながら、造形をつくりあげていく。
完成のイメージに少しずつ近づいてゆく、心おどる手作業だ。
このイヤリングは、お二人の大切な結婚を記念するジュエリーになるので、夜光貝は、美しい光沢が現れるであろう場所を、じっくりと選び抜いた。
それぞれ個体ごとに色彩が異なるのも、天然素材の魅力で、作業机に向かっていると、つい夢中になって、時間を忘れてしまう。
夕暮れどきに庭先に出て、磨き終えた夜光貝を太陽の光の下で眺めてみる。
深まる緑の中に、海の色彩が静かに響いていて、とても綺麗だった。
ブルー、オレンジ、イエロー。
その煌めく色彩が、この夏のひとかけらのように思えた。
オーダーメイドのお問い合わせはこちらまで
hp@kei-jewellery.com
tel: 0997-47-3547