昼間に眺めた月あかり。
屋久島の海からいただいた夜光貝と、イエローゴールドを組み合わせて、小さなネックレスをお仕立てしました。
その穏やかな輝きにふれていると、まるで静かな夜に包まれているような、やさしい気持ちが広がりました。
海の月ネックレス 18k yellow gold, island shell
ふとしたとき、月の響きに癒される。
もう何十年も眺めているはずなのに、ずっと変わらないのが不思議です。
夜光貝の月は、8mmほどの大きさにかたどりました。
とても繊細なスタイルですが、移ろう輝きや豊かな色彩を楽しめるのが、夜光貝の大好きなところです。
個体や切り取る場所によっても、大きく印象が変わってくるので、
作っているときは、ずっとドキドキでしたが、
今回も美しい表情に出会えたことが、うれしい。
今ここにある、一つだけのジュエリーに仕上がったのだと、しみじみと思います。
光の条件や、そのときの心持ちで、見え方や感じ方がいつも新しくなるのは、
あるいは、月も同じなのかもしれません。
肌に直接触れる裏側の部分には、イエローゴールドのプレートを合わせました。
そこに細いチェーンを通すように仕上げておりますので、
首元に小さな月が浮かぶような印象を楽しんでいただけたらうれしいです。
おふたりにとって、大切な記念のひとときとなりますように。
ネックレスは、ケースに大切に収め、リボンを結んで、海の向こうにお送りいたしました。
プロポーズのためのジュエリー作りにご一緒できたことは、わたしにとっても、かけがえのない時間でした。
満ち欠けのリズムを繰り返しながら、月がやさしい光を足元に投げかける日々は、
まるで、大切な人と過ごす明るいひとときのようでもありますね。
昼間も、雨の日も、
このやわらかな光が、そっと包み込んでくれますように。
8月末日。まだまだ夏の暑さが続く屋久島のアトリエより。