屋久島サウスのアトリエです。台風が去って窓の向こうに現れた大きな虹。
庭では台風前にタネを撒いていたシロツメクサも発芽していて! これまでの色々が一度リセットされて新しい舞台が始まったような気がした。
これまでの暮らしがひと段落したり、お二人で新しい場所に暮らし始めたり、結婚指輪作りのタイミングでは、しばしば “おわりのはじまり” について考える。
ちょうど今、結婚指輪作りを一緒に進めているお二人とのメールも思い出しながら、ちょっとドキドキ、でもワクワクした気持ちで作業机に向かっている。
お二人のこれまでと、そしてこれからを記すように。
作り始めた結婚指輪の工程を少しずつ。
作業台にお二人が選んでくれたプラチナを用意して。シルバーで作ったサンプルリングだったり、彫刻模様のデザイン画だったり、一緒に作り上げたイメージを置き換えた数字だったり、彼女が描いてくれたスケッチだったりを地図のようにして、これからの工程を航ってゆこう。
何度も使い続けてきた、酸素トーチの作業台。まずはここで火を入れてプラチナを柔らかに焼きなます。
太いところと細いところを作って、リズム感よく仕上げたい彼女のリング。
ここで生まれた金属片はリサイクルされて、また次の素材へと繋がってゆくのですよ。
大きな始まりの中に、小さな終わりが重なり合っていて、その終わりはまた次の始まりへと繋がってゆく。
それはいつ、どこにバトンタッチされるのだろうか。希望のかけらを作業机の上に、果てしない気持ちで眺めている。