冬の夜明けが好き。
ほの明るい空に輝く三日月にも、久しぶりに晴れそうな空にも感動しました。
ずいぶんと昔に初めて訪れた屋久島で、水の美味しさや空気のクリアさに、一番最初にその違いに気が付いて感動したのをよく覚えている。
いつも当たり前のようにここにあるものが実はとても大切だったりするのだろうなと思う。
結婚指輪をお届けして、お二人の暮らしが新しく始まって、
いつもの時間がささやかな喜びに満ちていたらとても素敵。
そんなさりげない時間がとても美しい。
お二人の暮らしにいつも寄り添ってくれている指輪とは。
穏やかさと高揚感、柔らかさと洗練と。
シーソーのようなバランスがリングに個性を与えるのかもしれない。
さて、アトリエです。
彼女のリングを削り出す工程が始まることになり、昨日に造形がひと段落した彼のプラチナリングを横に置いて作業をすることにした。
お二人の結婚指輪は素材もデザインも、内側の細部までぴたりとお揃いに仕上げることになっているからだ。
ヤスリでプラチナを削って、ときおり彼のリングを眺めて、またヤスリを手に取るリズムで。
彼のリングが2.3mm幅。彼女が2.0mm幅。
リング幅とサイズは違っているけれど、つけた時にお揃いに見えるボリューム感だと思う。
これからはフォーマルな場所に出席することも増えてくるだろうと思うので、
ある種の頼もしさだったりエレガントな雰囲気も意識してタッチを重ねてゆきたい。
そうそう、ここで生まれたプラチナの破片は集められてリサイクルされるのですよ。
また新しいプラチナ素材となって次のジュエリー作りへとバトンをタッチする。
今この作業はずっと未来まで繋がっていくのだと考えると、
まだ会わない人たちも、時間も自然も、全てが仲間のように思えてきます。
空はすっかりと晴れ渡り、裏庭の森を歩くと木々の隙間からたくさんの光が降り注いでいた。
ずっと雨だったのもついていたのかもしれない、
いつもの当たり前の瞬間がいっそう幸せに感じられた。
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