たぶん道具などとの兼ね合いもあるのだろうけれど、金属であるプラチナもその時々で呼吸というか手触りが違って感じられる。素材と対話し舵を切りながらタッチを進めるのが大切で、季節の旬を扱う料理にも似ているような。
お二人との出会いもそうだし、この一期一会感がオーダーメイドならではの楽しさでもある。
お二人にお会いしたのが別の季節だったりしたら、あるいは出来上がるジュエリーも少し違っているのかもしれない。そう考えると今この一瞬がとても貴重に思えてくる。
シンプルな作業であるかもしれない。けれども、一つ一つのタッチを大切にていこう。
まずは彼のリングから。シャープな面を幾重にも重ねて柔らかな曲線をつくる。
夏になると朝に雨がザーッと降って昼間は晴れるのが屋久島流。お二人の結婚指輪が出来上がる頃には涼しくなっているのかな。
1日の終わりにはプラチナリングの表面に滑らかなラインが現れた。うん、いい感じだ。明日は内側も柔らかにしてゆこう。そしてリングを側に置いて眺めながら彼女のリングを作り始めてみよう。朝は早くから作業机に向かって、夕暮れ時になったらコーヒーを作ってまた海に出かけよう。
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