曇り空の続く屋久島サウス。早朝は美しい空色が現れた。
いつものビーチで波に乗って作業机に向かうリズム。
いよいよ12月。屋久島の柔らかな冬色に包まれながらお二人の結婚指輪を作っている。
2022年もあと1ヶ月である。
大阪への帰省で少し作業をお待ちいただいていたので、ここからはじっくりと集中深く作業机に向かう。
お二人が選んでくれたシャンパンゴールドは昔ながらの手作業で造形を深めてゆく。
きっと1000年以上前からずっと変わらない鍛金の技法で、道具だけがアップデートされてゆく世界なのである。
火を当てたり、コンコンと木槌で叩いたり、糸鋸でゆっくりと切断して。
また火を当ててリングを繋ぎ合わせる。
今まで曲げることができていた金属も、こうしてリングになるとピタリと動かなくなる。
最後に溶接が無事に完了したリングはコップに注いだ水の中にジュッと入れて急冷をする。
このタッチで少しシャンパンゴールドが引き締まる。
そして、さらに叩いて曲げてを繰り返してゆくうちに強度を増していく。
1000年の歴史の中で生まれた手作業のリズムを感じて、なんとなく朝の海を思い出す。
大きなリズム、小さなリズム。
この小さなリングも大きな島の一部なのかもしれない。
目には見えないけれど、地中に広がる根っこのように支えてくれている世界とのつながりを感じながら
今日もまたタッチを積み重ねている。
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