昨日の夕方から激しく降り続いていた雨がぴたりと止んだのは、夜が明けてすぐのことだった。
突如訪れた静寂の、あまりの深さに目を覚まし、久しぶりに姿を現した山々の姿を眺めていた。
今日は海も穏やかなので、きっと船も予定通り入港するだろう。
天候の具合で荷物の発送状況を気にするのは、島暮らしならではの習慣なのである。
まるで海の向こうに家族を送り出すように、用意したサンプルリングを大切にケースに詰めていた。
雨上がりの庭先ではハイビスカスやツユクサ、プルメリアも元気そうに花を咲かせている。
大雨の後は、いつも季節が新しくなっているが面白くて、ワクワクしてしまう。
湿度は重たく、朝なのに随分と気温も高い。
確かに夏の気配が漂っている。
2024年の夏を丸ごとかけた結婚指輪作りになるだろう。
一度だけしかない季節を、お二人と共に歩み始めている。