山際を覆う空が赤く染まっている。
夜明けの時刻は5時ごろと早い。
思いがけず早起きをした朝だったけれど、
窓の向こうにいつもとは違う色合いを眺めながら、少し得をしたような気がして1日を始めることにした。
やがて日が登り、太陽の放つ熱で地面が暖められ、植物は朝露を抱く。
そしてわたしは、小さきものたちの呼吸に合わせるようにしてファインダーを構える。
不思議と心が安らかになってくる。
さて、そろそろ作業を始めたいな、と気持ちが盛り上がってくる。
屋久島の癒しなのである。
プラチナでかたどるコスモスとシダ、お二人が大好きな植物をモチーフにして結婚指輪を作っています。
プラチナでかたどるコスモスとシダ, お二人が大好きな植物をモチーフにして結婚指輪を作っています #屋久島でつくる結婚指輪
アトリエにきてくれたお二人はその次の日に森を歩いたと話してくれたけど、
島に癒されるフィーリングを共有できるのは特別なことのように思う。
つるりとバンド状になったリングをイメージする結婚指輪であるけれど、装飾的なデザインをお選びいただくことは案外と多い。
性別による違いなども気にすることはあまり少なくなってきているように感じるし、それぞれが自分らしいリングを選んで、2本のリングを合わせると、不思議とひとつになるようなお揃い感が生まれてくるのも面白い。
お二人との指輪作りにもそのような楽しみがあるように思う。
日々新しく、自由になってゆく結婚指輪の姿がここにある。
さてさて、
今日も作っている。
小さな花をかたどったプラチナは、当て木を添えて金槌でコンコンと叩き、そのアウトラインに柔らかなカーブを与えた。
表面を波打つ表情に磨き上げたところで、庭先に持ち出して眺めてみると、
太陽の光を受けて柔らかなコントラストを生み出しているのを見ることができた。
お二人にとって大切な想いのあるコスモスだ。
プラチナの強さの中に、風にゆらめく軽やかさを感じられるように仕上げなくてはならない。
プラチナの花の造形作業がひと段落したところで、次はリングづくりを始めることにした。
組み合わせるのはイエローゴールドの細いリングである。
細いリングだと、つけた時にお花が手の中に咲いたようになるのが嬉しい。
ふとした瞬間に喜びに包まれるような、
朝の癒しみたいな指輪になればいいと思う。
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