初めて屋久島を訪れた時から、
なぜかわからないけれどシダの葉に夢中になっていて、
以来ずっと、シダモチーフとしたジュエリーを何度も何度も繰り返し作っている。
その中にはネックレスもあったし指輪もあったしブローチなんてのもあった。
最初はシダというマニアックな題材に、
これは受け入れてくれる人がいるのかなあ。。
などと思い巡らしたりしていたけれど、
一つ一つ作品を作り上げて、それを小さな場所で発表するうちに、
「シダ!私も大好きなのです!!」
「屋久島といえば、シダですよね!」
そんな嬉しい声とも出会うようになり、
ついには結婚指輪に刻み込むモーチフとするまでになってきた。
初めて結婚指輪にシダ模様を刻み込んだ時のことはよく覚えていて、
わたしの海仲間が結婚することになったときに
屋久島の海を感じるアクアマリンと、森を感じるシダ模様を組み合わせた指輪って素敵じゃない!?
と、彼と二人、まだ古いアトリエで盛り上がった瞬間。
これが今も続くシダの指輪シリーズの始まりとなるとは!夢にも思っていなかったのだから、
巡り合いというか、一つ一つのタイミングは奇跡のようだ。
シダのシルエットを彫り込むように、
シダのシルエットを浮き上がらせるように、
などなど
同じシダ模様でも表現のステイルは無限にあって、
つける方によって、出来上がるジュエリーが違ったものとなるのも、また面白い。
雫ギャラリーでお会いして、
メールやお電話で何度も言葉を交わして、
出来上がったジュエリーが次のジュエリーへと
デザインの一部分をバトンタッチするようにして、
これまでたくさんの作品が生まれてきた。
その中には
え、マジですか!
という技術的に挑戦めいたアイデアもありました笑
「でも、ケイさんならなんとかできるはずです」
などと励ましの声をかけてもらいながら作ってきたジュエリーたちを
今日はなんとなく振り返り、懐かしんでいた。
プラチナにシダ模様、ゴールドにシダ模様、
石を埋め込んで、アウトラインに曲線をつけて、エンゲージリングとマリッジリングの組み合わせで。。。
その中で、
案外作ったことのなっかたものがラウンドシェイプのリングにシダ模様を彫り込む、というスタイルなんです。
そして、そして、
時は去年の秋頃のこと。
「丸いリングの表面に、シダ模様を彫り込んで欲しいのです!」
初めて声をかけていただいた時、
シダの指輪シリーズがまた先へと繋がったことが嬉しくて、
思わず心の中で声をあげてしまった。
やった!ずっと作りたかったスタイルだ。ついに!
シダの指輪をラウンドスタイルで。
素敵なジュエリーの予感。