彼と彼女に届け!とシャッターを切った一枚。
青空に包まれた屋久島サウス 2020年、春。
いま、北海道に暮らすお二人に届ける結婚指輪を作っています。
デザイン作りの間に、指輪作りの間に、
フェイスブックのメッセージでお互いの近況を伝え合いながら、
冬から春にかけての時間を共有しています。
大雪が降りました。
桜が咲いたのですよ。
そちらは大丈夫ですか?
頑張りましょう!
そんな声を掛け合ったり。
指輪は物理的なものではあるけれど、
その向こう側にある何かで繋がっている感覚は確かにあって、
言葉や思い、今そのものを現すような指輪作りができればと、
日々作業机に向かってます。
彼女が選んでくれたプラチナ素材。
プラチナは作業をする際の温度が特別に高くて、
1500度近くなる酸素バーナーの火を使って、
柔らかくする、接続する、などの工程を進めています。
プラチナの線を金槌で叩いて、
細い部分と太い部分、
アウトラインに抑揚をつけるのがお気に入り。
鉄鋼ヤスリで削り出して、くるりとリング状に形成すると、
有機的なリズムが現れた。
少しずつ少しずつだけど、手を加えるほどに指輪に息吹が宿る。
この時間と対面できるのは作り手にとって何よりの幸せだと思う。
火をかけて、金槌で叩いて、糸鋸で切断して、
作業自体ははるか昔からずっと変わっていないのですよね。
ただ、道具の制度は時とともに高くなっていきます。
うん。いい具合です。
心で作ろう。
自然のリズムで作ろう。
制作編
*
さて、こちらはしずくギャラリーです
海の向こうからお二人が来てくれました。
伺うと、
フェリーで島に到着して、レンタカーを借りて、その足でしずくギャラリーまで車を走らせてくれたとのこと。
島ではしずくギャラリーの他に白谷雲水峡で苔を堪能します!と楽しそうに伝えてくれて。
一緒にいるとこちらまで元気になってきた。
遠くからありがとう!!
青空に包まれて爽やかだった、結婚指輪作りの始まりです。
お天気も良いことなので、外で指輪を試してみましょう、
というアイデアに全員賛成となりまして。
太陽の光の下で素材おキラキラ具合や結婚指輪と婚約指輪のマッチング具合を確かめています。
山歩き大好きなお二人だからかな、
指輪選びも自然の中での遊びのようだったのが印象的でした。
素材のことも、デザインのことも、
島時間の中でスーッと輪郭を帯びてくる。
今日、ここで出会ったデザインは、きっとお二人に用意されていたものだろう。
まだ出会って少ししか経っていないのになぜだろう。
そんな確かな気持ちが芽生えてきた。