小指につける小さなリングをピンクゴールドで作ったら、そこにキュッと凝縮された自然のリズム。とても気持ちいい。
「ピンキーリングは軽やかさが大切ですよね、あと、宝飾品のクオリティーも。」彼女とは大切な言葉をたくさん共有しながらオーダーメイドの作業をともに歩んでいる。小さな宝物のようなリング作りだ。
なかでも、デザインのテーマとなる海は制作中にもよく眺めていたなあ。ふとしたときに、何気なく、海の情景を眺められるのが島暮らしの素敵なところだと思う。
光溢れる、ふわりとした海が好きだ。
波のような、水平線のような。この世界に漂う響きがある。あるいは音もそうなのかもしれない。波は重なりあい共鳴して砕けたり、そしてまた生まれたり、心だってきっとそうだろう。なんだかとてもふわりとした印象なのだけれど、それは実に確かなものであって、響きは形を留めないこともあるし、留めることもある。たとえば雨の雫のようにそしてこの小さなリングのように。
この美しい情景も今、わたしとどこかで響き合っているのだと思うと、とても穏やかな気持ちに包まれる。支えられている気がする。この印象がジュエリーになってどこまでも広がりますようにと願いながら、屋久島の夏を眺めている。
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