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大地の色彩。手の感覚を頼りにつくること #屋久島でつくる結婚指輪

アトリエのハイビスカスが満開を迎えている。

 

晴天がもう一ヶ月近くも続いていて、日中は外に出るのをためらうほどに暑い。

 

それでも、次々と花を咲かせ続けるのは、きっとこの高い気温が心地よいのだろう。

庭先では、プルメリアやモンステラも、生き生きとした表情を毎日見せてくれている。

 

屋久島は、深い森のイメージが強いところなので、少し意外かもしれないけれど、

どこかハワイやバリ島を思わせる、おおらかでカラフルな植物たちが、わたしは結構好きだ。

 

春には黄色い菜の花が咲き、梅雨にはブルーの紫陽花が、そして、夏には赤いハイビスカスが咲く。

わたしたちは、自然が織りなす色彩に癒されながら、日々を暮らしていくのだろう。

 

空や水が見せる、移ろいゆく透明な色彩も美しい。

そして、永遠を思わせる金属の力強い輝きは、大地の色彩といったところだろうか。

 

ハイビスカスの深い緑と赤、そしてイエローゴールド。

 

リングの土台を作るために、K18イエローゴールドの線を一本用意した。

直径0.95mmの、とても細い丸線だ。

 

この後、実に複雑な作業が始まることになるのだが、

その前に花を眺め、心を穏やかにしておく。

 

朝から夕方まで夢中だった。

手の感覚を頼りに進める、直感的な作業だった。

 

イエローゴールドの細い線を、曲げたり叩いたりしながら、

植物的な造形となるよう、タッチを重ねていった。

 

二本の茎が連なり、花を包むようなフォルムが、心の中にあって、

遠い記憶を辿るように、その印象を形に変えていくと、

やがて、繊細な曲線に包まれたリングが出来上がった。

 

作業台の上に置き、これまでの長い、複雑な工程を振り返ると、

もう、同じものは二度と作ることができないのだと、すぐにわかる。

 

これは、間違いなく世界に一つしかないリングだろう。

 

それにしても、我ながら、昔気質の手作業であると思う。

あるいは、このように心が主体となるものづくりは、どんどん古くなっていくのかもしれないけれど、それもいいではないか。

 

ときに、手作業の揺らぎのようなものが、作品に直に投影されることになるのだが、

その揺らぎに、わたしたちがどうしようもなく惹きつけられるのも、たしかだ。

 

それは、同じようでいて一つひとつが新しい花々を眺め、心が癒される感覚に、どこか似ているのかもしれない。

 

この小さなリングも、庭先の花たちも、夕方のビーチに漂う潮風も、

すべてがこの自然から生まれてきたものだと思うと、今この瞬間が奇跡のように感じられた。

 

 

制作編

ゴールドの花と、プラチナの花びら #屋久島でつくる結婚指輪

 

 

ゴールドの花と、プラチナの花びら #屋久島でつくる結婚指輪

一つひとつのタッチを重ね、バランスを整えながら進めていく。

少しずつの歩みではあるけれど、心の声を聞きながら手を動かす時間は、いつも楽しい。

それは、まるで夏休みの自由研究みたいに、ワクワクと心が踊る創作かもしれない。

 

 

イエローゴールドでかたどった3つの花は、菜の花がキュッと集まって咲くように、ひとつに繋ぎ合わせた。

大切な始まりの日に向けて、エンゲージリングをつくっています #屋久島でつくる結婚指輪

 

植物を身に纏うようなデザインも、連なる花々のバランスも。

ジュエリー作りへの憧れやひらめきは、いつも、島で出会う情景の中にある。

 

島の時間に育まれたものが、大切な想いと出会うとき、そこにはどのようなジュエリーが生まれるのだろう。

そのような興味が、日々を実り多いものにしてくれている。

 

大切なジュエリー作りのお声がけをいただき、心からありがとう。

 

 

島もいよいよ夏本番を迎えたので、

制作は、朝の早い時間から始めることにした。

 

気温が上がる昼間には、作業の手を休め、涼を取る。

 

今日は、アトリエの近くにある小さな森の沢まで出かけた。

 

アトリエに戻り、次の工程を始めることに。

薄いプラチナの板を糸鋸で5mm弱の大きさに切り抜き、精密ヤスリで輪郭を整えていく。

 

小さなかけらにタガネを当て、金槌で叩いていくと、少しずつ、丸くやわらかな印象を帯びていく。

 

硬くて冷たいプラチナに、舞い散る花びらのような軽やかさが宿り始める。

 

舞い散る花びら?

少し意外に感じられるかもしれない。

けれど、この小さな花びらが、今回の指輪作りにおいて、大切なエッセンスになるのは間違いない。

 

彼の想いが、デザインを新しく、一つだけのものへと育んでいく。

 

まるで小さなリングが、自由な言葉を持ち始めたように、

わたし自身も、そこに紡がれるひとつ一つの表情から、目が離せなくなっている。

 

ゴールドの花とプラチナの花びら。

異なる二つを、ひとつに結び合わせていくのだが、

それらをなめらかに調和させるのは、

島で暮らした記憶と、

これまで積み重ねてきた、手作業の時間なのかもしれない。

 

大切な始まりの日に向けて、エンゲージリングをつくっています #屋久島でつくる結婚指輪

K18イエローゴールドでかたどった、小さな花。

サイズは5mmほどだろうか。ピンセットの先端に収まるほどの花を3つ作った。

 

これからいくつものタッチを重ねながら、ひとつのリングへと形づくっていくのだけれど、

それはどこか、本当に植物が育っていく時間に似ているような気もする。

 

今日も一つずつ。ゆっくりと。

 

 

おふたりにとって、大切な始まりの日に向けて、エンゲージリングをつくっている。

 

ゴールドとダイヤモンドで紡ぐ菜の花と、

プラチナとピンクサファイアが寄り添う、桜の印象。

イエローゴールドで紡ぐ、記憶の情景 #屋久島でつくる結婚指輪

 

この夏を越えて、秋が訪れ、やがて冬の深まりが和らぐころ。

少し先の未来を思うと、わたし自身も希望の中を歩んでいるような、どこか特別な気持ちに包まれる。

 

デザイン作りでは、メールを通じて、彼と幾度も言葉やスケッチを送り合ってきた。

これまでともに育んできたイメージが、今、手の中で少しずつ形になりつつある。

 

そのような時間を分かち合えることが、何よりも嬉しい。

 

イエローゴールドの小さな花は、粗さの異なるいくつかの紙やすりを使い、表面を丁寧に磨き上げておいた。

3つの花を組み合わせ、バランスが心地よく整うまで、角度を何度も調整した。

 

いよいよこれから、本格的な造形作業が始まる。

 

指のかたちに花がやさしく沿うように、それぞれの花に角度をつけ、つなぎ合わせていかなくてはならない。

小さな朴炭のかけらを丸く削り、それをロウ付け作業の土台にした。

 

花びらの端と端を接しておき、ガスバーナーの炎に包み、その一点に融点の低いゴールドを流し込んでいく。

ゴールドが溶けてしまわないように、朴炭に炎を当てながら、全体の温度を徐々に上げていった。

 

バーナーのシューという音が、アトリエに響く。

そして、イエローゴールドの花がオレンジ色に染まり、それを合図にするように、3つの花がひとつにつながった。

 

序盤の要となる工程だったが、うまくできたように思う。

 

ここで一旦、ルーペとピンセットを置き、近くの海が見える丘まで車を走らせた。

深く集中しすぎたこともあり、少し緊張を和らげたかった。

 

夕暮れ時の海は、空との境界がわからないくらい、霞がかったブルーに包まれていた。

 

背後の山々もまた、淡いブルーの霞に包まれている。

静かに遠くを眺めていると、細かい作業で疲れていた目が、少しずつ癒されていくのがわかる。

 

それにしても暑い。もう6時近いというのに。

 

けれども、まだまだこの夏が続いてほしいような、

早くも名残惜しい気持ちで、

青く染まる山々を見上げながら、

この先の作業工程について、イメージを描いていた。

 

 

屋久島でつくる結婚指輪

オーダーメイドのお問い合わせはこちらまで
hp@kei-jewellery.com
tel: 0997-47-3547

夏のひかり。屋久島から、オーダーメイドのジュエリーをお届けしています #屋久島でつくる結婚指輪

ヒマワリのネックレス platinum, 18k yellow gold, citrine

 

ひかりあふれる季節。

太陽にかざして眺めた、ひまわりのネックレス。

 

プラチナとイエローゴールドに、大粒のシトリンを添えてお仕立ていたしました。

 

装いが軽やかになるこの頃。

印象的なジュエリーを身につけて、夏の光の中へ出かけたくなります。

 

屋久島のアトリエから皆さまへ。

 

昔ながらの手作業となりますが、

一つひとつを丁寧に、

末永くご愛用いただけるよう、

オーダーメイドのジュエリーをお届けしています。

海、月、星。

屋久島の大好きを集めて、ジュエリーを作りました。

 

海の月ネックレス 18k yellow gold, 夜光貝

 

屋久島の海からいただいた夜光貝で、

三日月をかたどった小さなネックレスです。

 

屋久島で生まれた小さな輝きを、

皆さまと分かち合えたなら、幸せです。

 

ナノハナの指輪2 18k yellow gold, diamond

 

風に揺れる菜の花を眺めていると、

なんだかとても、やさしい気持ちに包まれます。

 

さりげないけれど、

日々にそっと輝きを与えてくれる菜の花が大好きです。

 

大切な記念のジュエリーに。

光沢仕上げにアレンジをし、より繊細で可憐な印象に。

お名前にちなんだ花のモチーフを身につけるのも素敵です。

 

ツワブキの指輪 18k yellow gold, diamond

 

庭先や、いつもの散歩道に咲くツワブキの花。

 

ポコポコと灯る、小さな黄色い光のようで、

眺めていると心が和みます。

屋久島で出会った感動が、小さなジュエリーになって、皆さまに届きますように。

 

素材やデザインをお好みに合わせて、

世界に一つだけのジュエリーを育んでいく時間もまた、

オーダーメイドの喜びかと思います。

 

サイズゲージの貸し出しも承っております。

ご予算についてのご相談や、その他のリクエストがございましたら、

こちらよりお気軽にご連絡ください。

 

オーダーメイドのお問い合わせはこちらまで
hp@kei-jewellery.com
tel: 0997-47-3547

 

長くお使いいただき、磨き直して、また長く身につけていただく。

そのようなリズムの中で、ジュエリーは少しずつ味わいを深めていきます。

 

時間の経過そのものが一つの装飾となり、

ジュエリーを、世界に一つだけのものへと育てていくのかもしれません。

 

お選びいただいたジュエリーが、日々の中で味わいを増してゆく。

その時間に、メンテナンスを通して関わらせていただけることは、

わたしにとっても大きな楽しみです。

 

心を込めてお手入れをいたしますので、

何かございましたら、ぜひお気軽にお声がけください。

 

 

屋久島でつくる結婚指輪

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屋久島の季節を纏うように。島で出会う草花や海、月星をモチーフにしたジュエリーを作っています

海の向こうの皆さまに、オンラインでオーダーメイドのご相談を承っております。

 

お二人だけの結婚指輪が出来上がるまでの流れ、素材、価格

 

インスタグラムでこれまで作ったジュエリーを見ていただけます!

 

 

結婚指輪のオーダーメイドにつきまして #屋久島でつくる結婚指輪

お二人の想いが詰まった結婚指輪を、一生大切にお使いいただけるように、

Kei Nakamura Jewelleryでは、作家 中村圭が、一つひとつ丁寧に、手仕事でお作りしています。

自分らしいジュエリーをKei Nakamura Jewelleryのデザインで。

作り上げてゆく過程から楽しいプランです。

屋久島の季節から生まれたシンプルなデザインと、優しく、親しみ深いつけ心地をお楽しみください。

 

制作のご相談

屋久島のアトリエにて、遠方のみなさまはメールやビデオ通話を通じて、作家・中村圭がご相談からお届けまでお手伝いをさせていただきます。

納期や素材、サイズ、価格について、ご相談がございましたら、どうぞお気軽にお声がけください。

アトリエへお越しの際は、お時間を合わせてお越しいただけるよう準備いたしますので、事前にメールにてご予約をよろしくお願いいたします。

結婚指輪、婚約指輪についてのお問い合わせは、こちらまでどうぞ。
→ hp@kei-jewellery.com or tel: 0997-47-3547

 

Price

Kei Nakamura Jewelleryでは、お二人の暮らしに寄り添うジュエリーをご提案させていただいております。

一つひとつオーダーメイドでお作りするため、結婚指輪の価格は、使用する金属の種類や重さ、リングの幅、デザイン、加工内容などによって異なります。

ご希望の予算にあわせて、デザインを大切にしたプランや、素材を重視したプランなど、お二人の理想を叶えるご提案をいたしますので、どうぞお気軽にご相談ください。

参考価格(税別)
silver ring
2本で¥150,000より 平均¥180,000程度

gold ring, platinum ring
2本で¥300,000から¥600,000 平均¥500,000程度

完成までの流れ

ご相談

デザインのご相談は、屋久島のアトリエ、またはメールやお電話、ビデオ通話にて、作家・中村圭が直接承ります。

遠方にお住まいの方も、どうぞお気軽にお声がけください。

デザインのご提案

まずは、お二人のイメージやご希望をお聞かせください。

お話しいただいた内容をもとにデザインと価格をご提案し、ご感想を伺いながら調整を重ね、お二人の指輪を形にしていきます。

必要に応じて、アトリエにあるサンプルリングをお送りしますので、遠方にお住まいの方もどうぞご安心ください。
デザインやつけ心地、素材の色合いなども、ぜひ実際に手に取ってお確かめください。

デザイン決定・サンプルリングの制作

デザインが決まりましたら、本番の制作に入る前に、同じデザインのサンプルリングをシルバーでお作りします。

サンプルリングのデザインやつけ心地、最終価格をご確認のうえ、ご了承をいただいてから、いよいよ本番の制作が始まります。

 

素材について

Kei Nakamura Jewelleryでは、K18ゴールド、プラチナ、シルバーなどの金属素材を取り扱っています。

色合いや質感など、お二人のご希望に合わせて配合を調整し、素材をご用意いたします。

金属アレルギーへのご心配やご予算も伺いながら、素材選びをお手伝いいたしますので、どうぞお気軽にご相談ください。

 

制作と納期

糸鋸で金属の板や線を切り出し、金槌でコンコンと叩いて曲げ、火を当ててつなぎ、さらに叩いて形を整える。

Kei Nakamura Jewelleryの結婚指輪は、このような鍛金の技法を用いて、一点ずつ丁寧に作り上げていきます。

本番の制作が始まってから完成までは、約2か月です。
デザインのご相談に約1か月を要する場合、ご相談の開始からお届けまでは、合計で約3か月となります。

挙式の日程などに合わせたご希望の納期がございましたら、お早めにご相談ください。

 

生産と品質

豊かな暮らしの中から生まれる、丁寧なものづくりと確かな品質を。

Kei Nakamura Jewelleryでは、すべての結婚指輪を作家・中村圭が一点ずつ手作業でお作りしています。

一組の制作に十分な時間をかけられるよう、結婚指輪のご注文は月に3組までとさせていただいております。

ご希望の納期がございましたら、できるだけお早めにご相談ください。

中村圭より

こんにちは。Kei Nakamura Jewelleryの中村圭です。
このたびは、結婚指輪のページをご覧いただき、ありがとうございます。

Kei Nakamura Jewelleryの結婚指輪づくりは、お二人と一緒に歩む、宝探しのような楽しい時間です。
サイズやデザイン、素材など、お二人の暮らしに寄り添いながらご提案し、フルオーダーでお作りいたします。

アトリエは屋久島にありますが、遠方にお住まいの方とは、メールやお電話、ビデオ通話を通じて打ち合わせを進めています。
最初のご相談から指輪をお届けするまで、すべて私がお手伝いいたしますので、どうぞご安心ください。

 

結婚指輪を作り始めてから、ずいぶん長い時間が経ちました。

「おめでとうございます」という言葉にあふれる、この結婚指輪づくりが、変わらずとても大好きです。

お二人の大切な節目に、結婚指輪づくりを通じて関わらせていただき、幸せをお裾分けしていただいているような気持ちで、いつも作業机に向かっています。

最近では屋久島から海を渡り、各地でオーダーメイドの相談会を催す、旅と結婚指輪づくりの活動も始めています。

ちょうど今、結婚指輪をお探しの皆さま。
デザインや価格についてなど、気になることがございましたら、どうぞお気軽にお声がけください。

屋久島の自然から生まれたモチーフに、お二人のお気に入りや大切な想いを重ねながら、一緒に指輪を形にしていきましょう。

お二人のために、心を込めて素敵な指輪をお作りいたします。

中村 圭

 

お問い合わせ

しずくギャラリーにて、遠方のみなさまはメールや郵便にて対応させていただきます。

結婚指輪、婚約指輪についてのお問い合わせは、こちらまでどうぞ。
hp@kei-jewellery.com or tel: 0997-47-3547

イエローゴールドで紡ぐ、記憶の情景 #屋久島でつくる結婚指輪

アトリエの庭先に、夏の白い百合が咲いている。

 

島では、春と夏の二度、白い百合が花を咲かせるのだが、

それぞれのシルエットは少しずつ異なり、茎を伸ばす場所も違っている。

 

ヒカンザクラの木の下に、ふたつの百合が並んで咲いたのは、実は今年が初めてのことだった。

 

朝6時ごろの光は、まだやわらかい。

芝生には、昨夜の涼しさを残すように、ほんのりと朝露が宿っている。

 

生垣からこぼれる木漏れ日の中、一年ぶりに出会う夏の花を、心穏やかに眺めていた。

 

夏の白い百合が咲くと、蝉の鳴き声やスコールの情景が重なってくる。

よく考えてみると、花に結びついた思い出は、とても多い。

 

まるで、私たちの周りで起きた印象的な出来事や大切な時間に付箋を貼って、目印にしておいたように。

色や香りに触れると、その時の想いが蘇ってくる。

 

ほんの小さな形ではあるが、その向こう側には、果てしない時間が広がっている。

そのような感覚は、ジュエリーにもよく似ているのではないだろうか。

 

島に暮らし、花をモチーフにしたジュエリーを作り始めたことは、ごく自然なことだったように思う。

 

海に囲まれた小さなアトリエではあるが、オーダーメイドのお声がけをいただき、近しい気持ちを分かち合える。

そのことが何よりも嬉しく、ものづくりを続けるわたしの背中を、いつもそっと押してくれているように思う。

 

作業机に並んだ、3つの花。

 

さて。

アトリエでは新しいジュエリー作りが始まっている。

 

K18イエローゴールドの板を、糸鋸と鉄工ヤスリを使い、5mmほどに削り出したところ。

 

あたたかみを帯びたゴールドの色彩を眺めていると、やわらかな春の光を思い出す。

 

ガスバーナーの炎で焼きなましたイエローゴールドの花を、鉄の枠に添えてコンコンと叩いていく。

平に角ばっていたものが、ころりと丸いフォルムに変わる。

 

花びらのカーブを徐々に深めていくと、

ほんのわずかに、そこに小さな息吹が宿ったように感じられる。

 

ふと、海沿いに広がる菜の花畑の情景が、心をよぎった。

 

潮風の香り。

ゆらめく黄色いシルエット。

 

一つひとつ細やかな手仕事を重ねていると、どこか夢のような時間が、そこに流れているように感じられた。

 

 

屋久島でつくる結婚指輪

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儚い煌めきと、永遠へとつながる造形 #屋久島でつくる結婚指輪

雫を模した丸い石枠を支えるプラチナリングは、細くすっきりと削り出した。

頂上にわずかな尖りを帯びた、山型のフォルムだ。

繊細な佇まいの中に強度を持たせるため、十分な高さを残して仕立ててある。

表面の一箇所には、石枠の底がぴたりと収まる小さな凹みを作った。

 

数本の鉄工ヤスリを使い分けながら、造形を進めていくわけだけど、

気がつけば、机の上には実にたくさんの種類の工具が並んでいる。

 

ルーペに定規、罫書ペン、先端の形状が異なる鉄工ヤスリ、番手の異なる紙やすり、サイズの異なるドリル刃…。

指先に乗るほどの小さなリングを作るのに、これほど多くのものを使っているのだと、いつもながら感心してしまう。

 

道具としての精度は、時代とともにずいぶん高くなったように思う。

それでも手の中にあるのは、はるか昔から変わることなく受け継がれてきた、素朴な手仕事の道具たちだ。

 

例えば、鉄工ヤスリの削りが甘くなってきたと感じれば、同じものを買い足していく。

ドイツ製の糸鋸を、イギリスの工具店から取り寄せたりもする。

そうして長い年月をかけて集まった、馴染み深い工具たちが、今日も作業机の上に並んでいる。

 

作り出すジュエリーは、島で暮らす日々の中で出会うインスピレーションから生まれるものではあるが、

それらは同時に、長い歴史に育まれてきた文化の一端なのかもしれない。

 

島の季節とクラシカルな製法とが出会うとき、そこにどのような造形が生まれるのだろうか。

その興味が、今もわたしをジュエリーづくりへと導いているように思う。

 

朝、目を覚ますと、6時台だというのに、もう暑い一日が始まっている。

眩しい青空と、蝉の力強い鳴き声が、

揺るぎのない夏の時間が流れていることを知らせてくれる。

 

できるだけ早い時間に作業机に向かい、制作を始めるようになったのも、

夏のジュエリーづくりならではのリズムなのかもしれない。

 

いよいよリングと石枠をつなぎ合わせる作業に取りかかる。

位置と角度をぴたりと定め、ピンセットの重みでそっと固定した。

酸素トーチの炎に包み、一気に温度を上げると、リングは鮮やかなオレンジ色に染まっていく。

 

こうして作業を繰り返すうちに、冷たい金属に、少しずつぬくもりが宿っていくように感じられた。

 

それは、いつも不思議に感じることなのだけれど。

 

雨の雫や、季節に咲く花々の儚さも美しいけれど、

その一瞬の表情や形を、永く留めておくことができるプラチナもまた、素晴らしい素材だと思う。

 

おふたりの暮らしに、長く寄り添うリングになりますように。

 

金属を手にしていると、自然とそのような願いが生まれてくる。

 

あと少し。

いくつかの工程を経て、リングは完成となるわけだけど、

この続きは、もう少し先のお話で。

 

プラチナとダイヤモンドが織りなす儚い煌めきと、永遠へとつながる造形を、どうぞお楽しみに。

 

プラチナとダイヤモンドで纏う、小さな雨上がりの時間 #屋久島でつくる結婚指輪

南国の暑い日が続いている。

時折、アトリエの界隈をスコールが通り過ぎ、ひとときの潤いをもたらしてくれる。

 

まるで薄い水の膜に包まれているみたいに、重たい湿度が満ちているけれど、

どこかその雨を心待ちにしているところもある。

 

雨上がり、庭先に出ると、月見草が大事そうに、たくさんのしずくを抱いていた。

水が描き出すさまざまな情景に癒されるのは、屋久島ならではの時間だなと思う。

 

ちょうど今、雨の雫をモチーフにしたリングを作り進めていることも、

とても素敵な巡り合わせのように感じられた。

 

 

一粒のダイヤモンドがぴたりと収まるように、丸いプラチナの石枠を作りました。

雨上がりの光を宿す、ひとしずく。

一粒のしずく。永遠の輝きを纏うダイヤモンドリング作り #屋久島でつくる結婚指輪

 

毎日というわけではないけれど、島に暮らしていると、やはり雨は多い。

 

夏の天気雨、梅雨時の重たい雨、冬の冷たい雨と虹。ダイヤモンドを散りばめたような、春の朝露。

 

それらの情景は、いつしか日常の一部分となっていて、

庭先に咲く花々と同じように、小さくあたたかな息づかいを持つものに感じられる。

 

一粒の雫を模した石枠の周りには、小さな雫が宿るイメージで、造形を進めていく。

リングもプラチナで仕立て、そこに小さな雨上がりの時間を作りたい。

 

ありがとう。

大好きな雨のフィーリングを、ジュエリー作りを通して分かち合えることを、何よりも嬉しく思いながら。

 

プラチナの細い線をくるりと巻き、リングの形に繋ぐ作業に取り掛かった。

 

アトリエの照明を落とし、酸素トーチに火を灯す。

炎でリングを包み、プラチナが真っ赤になるまで温度を上げていく。

 

とても繊細なリングなので、熱で溶けてしまわないよう、細心の注意を払わなくてはならない。

 

温度がおよそ1000度を超えたところで、繋ぎ目に融点の低いプラチナをすっと流し込む。

 

とてもシンプルな作業だが、何度繰り返しても、緊張感が途切れることはない。

 

ろう付け作業がうまくいき、リングのシルエットを緑の中で眺めた。

 

幅1.15mmと、とても細いリングではあるが、硬い配合のプラチナを使っているので、手にすると確かな安心感がある。

 

リングを細くすることで、指の上にダイヤモンドが、雨の雫たちが浮かび上がるように仕立てることができる。

 

庭先では、夏の白い百合が咲き始めた。

それにしても、季節は確実に巡っていく。

そのゆっくりとした力強い歩みに置いていかれないようにと、

この先に続く工程を、頭の中で丁寧に思い描いていた。

 

屋久島でつくる結婚指輪

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一粒のしずく。永遠の輝きを纏うダイヤモンドリング作り #屋久島でつくる結婚指輪

屋久島サウスの海沿いに、今年もひまわり畑が広がりました。

 

海の日も近くなり、夜にはお祭りも催されるようで、

どこか日々が凝縮されて感じられるような、

夏には独特の時の流れがあるのは、なぜでしょう。

 

海風に揺られる、黄色い光のドットが、

毎年のことのはずなのに、とても新鮮で、

かけがえのないもののように感じられました。

 

森に囲まれた屋久島の夏は、案外と涼しく、

過ごしやすいことも嬉しいところです。

 

川遊びをしたり、甘酸っぱいパッションフルーツを食べたり、

昔から変わらないリズムの中で、2026年の夏もジュエリーを作っています。

 

さて、

アトリエでは、新しい制作が始まっていて、

精密ヤスリを片手に、細やかな作業が続いています。

 

3.5mmほどのプラチナ片をヤットコではさみ、丸く削り出しているところ。

均一で滑らかなカーブが生まれるように、少しずつ、丁寧にタッチを重ねていきます。

 

この小さくて丸いプラチナは、リングの石枠となる部分なのですが、

内側には、ダイヤモンドがぴたりと収まる穴を作りました。

 

ざっと磨き上げたプラチナの枠にダイヤモンドを添えてみると、

そこに、小さな息吹が宿ったような気がしました。

 

一粒のしずく。永遠の輝き。

 

島の暮らしの中で、自然を眺めていると、

雨の雫も、朝の木漏れ日も、月の満ち欠けや季節の巡りも、

一つひとつの刹那が重なり合い、かけがえのない“今”を形作っている。

その奇跡のような時間が、とても美しく感じられるのです。

 

移ろい続ける一瞬は、

同時に、永遠に輝き続ける光であるのかもしれません。

 

 

ブラインド越しに届く7月の光は力強く、窓の向こうからは蝉の声が聞こえてきます。

石枠をガラスシャーレの中に収め、次はリングの造形作業に取り掛かりました。

時折スコールが降り、南国ならではの重たい湿度がアトリエを包みます。

庭先では、最近よく見かける白と茶色の猫が、木陰で寝そべっています。

 

このようにして、2026年の夏の指輪作りは、静かに進んでいくのでありました。

 

2.0mm and 2.3mm wave ring in 18k champagne gold #屋久島でつくる結婚指輪

material: 18k champagne gold
size: 2.0mm and 2.3mm

Delivery time is within 3 months.
Custom-made, one of a kind.

こちらの作品はサイズを合わせて、デザインをお好みにアレンジして、オーダーメイドにてお作りいたします。
ご注文からお届けまで約3ヶ月。

 

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屋久島の小さな贈り物。シャンパンゴールドで仕立てた、シダ模様のペアリング #屋久島でつくる結婚指輪

屋久島の小さな贈り物。シャンパンゴールドで仕立てた、シダ模様のペアリング #屋久島でつくる結婚指輪

朝のやわらかな光と、

そのひとかけらのように見えた、シャンパンゴールド。

 

リングをそっと重ね合わせてみると、

表面に彫刻したシダの葉模様が寄り添い、ひとつになりました。

 

 

おふたりの指輪を作り進めていたのは、重たく長い雨が島を包み込んでいた、梅雨どきのことでした。

島の近くを、台風が通り過ぎた日もありました。

大切な想いから生まれる、ひとつだけの指輪 #屋久島でつくる結婚指輪

 

大きな紫陽花や深いブルーのツユクサが咲いていたアトリエでしたが、

指輪が形作られてゆく時間の中で、

ハマユウが、そしてハイビスカスが咲き始め、

季節もまた、ゆっくりと夏へ近づいてゆきました。

 

そして、いよいよ指輪が完成し、

今は眩しい光があふれ、空には、もくもくと大きな雲が流れています。

 

屋久島でお会いした日のインスピレーションを大切に、

昔ながらの手作業で、じっくりとお仕立ていたしました。

 

そしてそれは同時に、

島の季節に育まれた、小さな贈り物であるようにも思うのです。

 

アウトラインに施したカーブを合わせると、

ふたつのリングがひとつの輪郭を描きました。

 

シャンパンゴールドの輝きが、深い緑と親しげに響き合っています。

 

硬い金属でありながら、どこか植物的な雰囲気を感じるのは、

シャンパンゴールドが宿す、明るく温かみのある色彩によるものなのでしょう。

 

夏の力強い陽光を受けて、シダの葉を描いた彫刻模様が、そのシルエットをくっきりと浮き上がらせていました。

 

シンプルなラウンドシェイプに整えていますので、

手触りはどこまでも親密で、ゴールドの確かな重みが心地よく響きます。

 

長くお使いいただく指輪ですので、

つけ心地を支える造形には、特にこだわりました。

 

はやくおふたりに手に取っていただきたい!

 

リングの内側に、屋久島の輪郭を分かち合うように彫刻したのは、

相談会での会話から生まれたひらめきでした。

 

台風前の晴天に恵まれ、無事にアトリエまでお越しくださったおふたりと過ごした和やかな時間も、今では大切な思い出です。

 

山際からは太陽が姿を現し、

眩しい光が、瞬く間に島を満たしてゆきました。

今日もまた、暑い一日になりそうです。

 

遠い場所に暮らしているわたしたちが、この島で出会い、おふたりの指輪が生まれたことは、

奇跡のようでもあり、どこか必然のようにも感じられます。

 

大好きな場所で生まれたつながりだからこそ、

不思議と、強く信じられるものがありますよね。

 

屋久島が紡いでくれた素敵なご縁に、心から感謝します。

 

楽しい指輪作りのひとときを、ありがとうございました。

またいつの日か、おふたりで屋久島にいらしてください。

 

プルメリアの甘く清々しい香りが漂うアトリエより。

 

屋久島でつくる結婚指輪

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花々の祝福、イエローダイヤモンドの響き #屋久島でつくる結婚指輪

台風がもたらした高波の影響で途絶えていた流通が再開し、予定よりもずっと長い時間をかけて、イエローダイヤモンドがアトリエに届いた。

自然のリズムが人の暮らしよりも先にあることを感じるのは、島での生活ならではなのかもしれない。

 

台風が過ぎ去り、アトリエの周りでは、色とりどりのプルメリアが花を開かせている。

梅雨の大雨が河口へ運んだ砂も、高波によって、すべて押し戻された。

 

昼間の空はどこまでも青く、夜には天の川を見ることができる。

今は、揺るぎのない夏の時間が流れている。

 

季節の移ろいの中で、ジュエリーが育まれてゆく時間を分かち合えることもまた、オーダーメイドの楽しみの一つなのではないだろうか。

 

おふたりの大切なご婚約の日に向けて、島に咲く黄色い花をモチーフにした指輪を作っている。

海と花、ジュエリーと #屋久島でつくる結婚指輪

 

冬を前に、少しずつ寒さが増してくる頃に咲き始めるツワブキの花。

その明るい黄色に、いつも元気をもらっている。

 

本当に不思議なことだけれど、もしかすると、当たり前のことなのかもしれない。

花の色や個性と響き合う石に、いつも出会うことができる。

 

ツワブキの明るい黄色には、透明感を纏ったイエローサファイアや、イエローダイヤモンドがよく似合う。

 

今回はご婚約のジュエリーということもあり、

彼と相談を重ね、イエローダイヤモンドを使うことにした。

 

 

さっそく、ワクワクしながらルーペで覗き込む。

濃く鮮やかな黄色と、高い透明感。

わずか2.3mmの小さな姿の中に、まっすぐな強さが宿っているように見えた。

 

シャープに整えられたカットの一つひとつから、繊細な光が放たれていた。

 

 

リングの造形作業も、石との出会いを待ち望んでいたかのように、いよいよ佳境を迎えている。

 

プラチナの花とイエローゴールドのリングをぴたりと組み合わせ、そのわずかな隙間へ、融点の低いゴールドを流し込んでいく。

ガスバーナーの炎でリングを包み、徐々に温度を上げていく。

途中、花とリングの角度がずれ、そのたびに火を止め、何度か調整を加えた。

造形と温度のバランスが整ったところで、さらに熱を加えていく。

ふたつの金属が接する部分に、ほんの少しだけ強く火を当てると、

その瞬間、ゴールドがすっと溶け、隙間の奥へと流れ込んだ。

 

緊張感に満ちた時間ではあったが、うまくできたように思う。

 

ここで初めて、お花リングのシルエットが立ち上がった。

まるで本当に、ずっと育ててきた花が咲いたようで、あたたかな喜びが込み上げてきた。

 

その佇まいは、どこまでも繊細だ。

けれど手に取ると、小さな姿の中に、確かな強さが感じられる。

 

作業は、ひとつの峠を越えたといったところだ。

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