今朝の作業からお話は始まります。
秋の屋久島旅でギャラリーに来てくれたお二人。
その結婚指輪作りはレディースのリングの仕上げ作業となりました。
リングの内側に回転機械をあてがって、金属の表面をピカピカに磨き上げると、つるりと肌触り良く出来上がります。
ここは指に直にフィットする部分なので、ここはスムーズに仕上げたい。
そう思って、内側の質感はいつも大切にしてきました。
数段階の磨き上げ工程を経て、
鏡のように、世界を映すほどにピカピカな面が出来上がりました。
手を加えるほどに表情が変化する。
金属って不思議です。
表面は有機的な雰囲気を帯びるように、マットな質感に仕上げる。
2.0mmのラウンドシェイプ。
シンプルで最高に着け心地の良いバランスだと思う。
今日はしとしと雨降りだった屋久島サウス。
彼のシャンパンゴールドからの彼女のイエローゴールド と、
結婚指輪作りがひと段落したところで、
さらに次なる作業へと移ることに。
お二人にはもう一つ、指輪をお作りすることになっているんです。
プラチナの板でかたどったシダの葉っぱ。
シダの葉は縁起の良いイメージで、お正月の飾りにも使われています。
屋久島に初めて訪れた時、その大きさや種類の豊かさに魅了されて、
いつかジュエリーのモチーフにしようと決めた。
そして今は欠かすことのできない、大切なテーマになっている。
軽やかで、自由を感じる植物だと思う。
シダの葉っぱをかたどるジュエリーは婚約指輪としてお使いいただくことになってます。
今日出来上がったイエローゴールド のリングと重ねてつけるのもいいし、
時には別の指にそれぞれをつけるのも素敵。
作業机にプラチナのシダをピンセットに挟んで、ポツリポツリ雨音を聞きながら、
シダの葉に覆われた森のことをふわふわと思った。
制作編