屋久島に訪れた暖かな冬の祝福に包まれて、小さなしずくのペンダントを作っている。
花々の愛おしさ、蜘蛛の巣に宿る雨粒、ダイヤモンドとイエローゴールドの煌めきと。
彼女が来てくれたアトリエの庭に山茶花が咲き始めている。
ツワブキの花に今日も鼓舞されながら。
自然の中に潜む神秘のようなものに近づくためにジュエリーを作っているのかもしれないと思う。
薄くプレート状に伸ばしたゴールドを炎に包んでカーブを与えてゆく。少しずつ、少しずつ。
ゴールドはとても小さくて、なかなかに硬い。
火を当てて曲げる、そしてまた火を当てる。同じような作業を何度も繰り返す。
昔から伝わるクラシックなジュエリー作りである。
わたしは好んで先輩から譲り受けた古い道具を使っているのだけれど、なんとなく手と作品との距離が近くなるような気がしている。
今日も時間はゆっくりと流れている。今はもう失われつつあるそのような日々を愛おしく思いながら。
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屋久島での出会い編
制作編
in English
Making a small drop-shaped pendant with the blessing of a warm winter in Yakushima Island