
まるで裸足で過ごしているみたいな、自由で爽やかな秋の空気に包まれて、おふたりの結婚指輪を作っている。
山々は豊かな緑を抱き、空はどこまでも青い。
夜の間に冷え込んだ大地に朝の光が降り注ぎ、植物たちがたくさんの雫を抱いていた。
指輪作りはいよいよ終盤に差し掛かった。
屋久島の季節がいつも寄り添い、癒してくれている。
造形作業は無事に完了し、これから内側の彫刻へと工程を進めていくのだけど、
リングは海を渡り、専門のファクトリーで精密な仕事を施すことになる。
その前に、秋の太陽の下でリングを眺めてみたくなった。

満開を迎えたサキシマフヨウのピンク色。
木々の隙間からこぼれ落ちるやさしい光。
その光を受けて、微笑んでいるように煌めいていたプラチナリング。

彼と彼女のリングは、サイズとリング幅をそれぞれの手に合わせながら、お揃いのデザインで仕立てた。
波長の長い波のような伸びやかなラインを表面に削り出し、アウトラインにはごく緩やかなカーブを施してある。
重なり響き合うリズムは、島の暮らしの中で親しんできた時間からインスピレーションを受けたものだ。
お互いがそれぞれでありながら、同時にふたつでひとつであるような。そんなリングの姿をイメージしている。
遠い距離を超え、奇跡のように出会ったおふたりの、喜びに満ちた日々を願っている。

おふたりが島にやって来るまで、1ヶ月と少し。
完成まではいくつかの工程が残っている。
島リズムのゆっくりとした指輪作りにお付き合いいただき、本当にありがとう。
お会いする日まで、喜びを分かち合いましょう。
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