屋久島サウスのアトリエです。
晴れ間が広がるうちにやっておきたいことは多い。
庭先にはハイビスカスが呼吸を合わせるように一斉に咲き始めたので、
作業を始める前に木々の剪定を行うことにした。
これからの季節、島では増し続ける植物の勢いとのせめぎ合いとなる。
もっとも、夏頃には完全に圧倒されてしまうのだけれど。
それにしても、植物と触れ合う時間はいつも心を穏やかにしてくれる。
いつの間にか静かに凪いだ気持ちで作業机に向かう。
一日の制作の始まりだ。
2024年の春とともに鹿児島に暮らすお二人にお届けする結婚指輪を作っている。
新しい暮らしを始めるお二人と指輪作りをご一緒できる。希望に溢れる日々。
新年度の始まりでむっちゃお忙しいところ、お付き合いをいただきましてありがとう!
お二人はぴたりとお揃いのデザインを選んでれたのだけど、
彼は少し太くして、彼女は細身のシルエットで、素材もお互いの好きな色でお作りすることにした。
とても近しいフォルムではあるけれど、それぞれのリングに然るべき調整を加えながら造形作業を進めていかなくてはならない。
彼女のピンクゴールドはしなやかに軽やかに。彼のプラチナは丈夫に頼もしく。
お二人の手にすっと馴染むようになって初めて二つのリングは確かな繋がりを持つことができるように思う。
お二人のために配合したプラチナとピンクゴールドは、くるりとリングにする前にその横幅に抑揚を与えておく。
金槌で両端から中央に向けて強く打ち付けて厚みにグラデーションをつける。
打ち付けて生まれた凸凹を鉄鋼ヤスリで大きく削り取り整えておく。
一番最初にしっかりと手を加えておくのは料理で言うところの下ごしらえのような工程かもしれない。
こうしておくと、リングになった時にそのアウトラインに自然な抑揚が生まれるのだ。
まずは最初の第一歩、と言うところだろうか。
コースを外れずにしっかり踏み出せたように思う。
プラチナとピンクゴールドの削り出されて現れたピュアな輝きを作業台の上に眺めていると、ほんの少しではあるけれど、そこに芽生え始めた息吹のようなものを感じ取ることができた。
さて、みなさま。このゴールデンウィークはいかがお過ごしになりますか?
こちら屋久島では旅ムードも盛り上がってきているので、わたしは一足先にノマドカフェさんでチーズケーキと熱いカフェオレをいただいて癒されました。
もしかすると、そろそろアイスコーヒーも美味しい季節かもですね!
長いお休みをお過ごしの方も、お仕事の方も、
どうぞ素敵な春の日々を。
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