九州南部では梅雨明けの宣言が発表されたようだけど、島の暮らしではハイビスカスの開花具合が雨の季節の合図。
一雨降るたびに熱帯味も増してくる。
夏の気配も感じ始めた屋久島サウスのアトリエで、冬にお会いしたお二人の結婚指輪を作っている。庭先では百合も咲いたし紫陽花も咲き始めた。
さて、アトリエではお二人が選んでくれたプラチナを使ってリングの造形をさらに進めていく。スクエアのようでもあって、柔らかなラウンド具合も感じられるアウトライン。鉄鋼ヤスリ片手にタッチを加えるたびに、少しずつ息吹を帯びてきた。
彼のリングは表面を柔らかにラウンドさせて、次の工程が始まる前に庭先で深呼吸。
そしてまた作業机に向かって、鉄鋼ヤスリを木槌に持ち替えて、コンコン、コンコン。気がつけば周りも暗くなってゆく。
1日の終わりに造形がひと段落。プラチナリングが纏った柔らかなラインを眺めている。お二人と一緒に作ってきたイメージがここでようやく形になり始めた感じ。大切がいっぱい詰まったリング。あたたかな気持ちが込み上げてくる。
雨の合間に庭先をチェックしつつの、次は彼女のリング作りにバトンをタッチしよう。そしてまた雨が降り始めたようだ。シダ先にしずくが宿っては落ち流をリズムよく繰り返している。
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