昨日眺めた桜の余韻の中で過ごしている。屋久島サウスのアトリエです。今年の冬は思いっきり寒くなって、潔く去っていったような気がする。
日中は南国ならではの陽気に包まれていて!ときおり窓を開け放ち山々を眺めながら、結婚指輪を作る日々だ。
そういえばここのところ、不思議と島繋がりのご縁が多いような。海と南国のフルーツも、カラフルな花々と地元のお酒と大きな虹も星空も。お二人の暮らす沖縄と屋久島はきっと近しいリズムの中にあるのだと思う。とはいえ、細くてなかなか見えにくい繋がり。海の向こうから声をかけてくれてありがとう。
見えないけれど、柔らかに繋がっている小さな世界とは、確かに。心強く、あたたかな気持ちに満たされて、今日も作業机に向かっている。
プラチナの作業温度はかなり高いところにある。リングが赤に、そして白くなってゆく、眩い世界。
一方、彼女が選んでくれたピンクゴールドはふわりと柔らかな火の中で。溶けないように気をつけながら、そしてしっかりと火を入れて柔らかになるタイミングを見計らっている。
削り落とした金属はキラキラと星のように輝く。小さなリングではあるけれど、その中に金属の確かな重みやきらめきを感じるような、質感を大切に作業を進めようと思っている。少しずつ、少しずつ。2本のリングから芽生え始めた息吹を感じながら。
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