炎に包み込んで、その中で繋ぎ合わせて一つになったピンクゴールドとプラチナ。
明るく、強く輝いて。
今年も庭先に咲いた月見草とともに眺めることができて嬉しかった。
屋久島から海を越えて、大阪に暮らすお二人に届ける結婚指輪を作り始めている。
お二人とはサンプルリングをお送りしたり、デザインの相談をしたり、たくさん言葉を交わしてきた。
これれまでずっとお付き合いいただいてありがとう!
毎年やってくる五月の、毎年眺めている月見草かもしれないけれど、
お二人と巡り合ってこうして結婚指輪作りをしていると、やはり一度だけの今なのだと実感できる。
日々あたりまえのように交わす言葉も、庭先に差し込む光も、海も、朝ご飯だって、
全ての事象に旅先での出会いのような温度感のある喜びを感じながら。
月見草の佇まいは祈りに似ているように思う。
プラチナはしなやかで、ピンクゴールドはとても硬い。
全く異なる組成の金属を組み合わせながら均一な造形を為してゆくために、時には強く、時にはソフトにといった具合に不均一なタッチを加えてゆかないといけなかった。
コンコンコンとプラスティックのハンマーで丸くリングを形作ってゆく。
プラチナとピンクゴールドは最終的には一つのものとしてあるべき素材だ。
そして少しずつではあるけれど、それらが合わさってゆくのを手の中に感じることができた。
小さな息吹のようなものが生まれる瞬間に立ち会うことができるのは何よりも幸せなことだなと思う。
くるりと小さな佇まいを眺めていると、お二人から初めてメールが届いた日のことをふと思い出した。
あの時はまだ何もなかったのに!けれどもこうして手に取ることのできる指輪が生まれるのだからすごい。
まるで一滴のしずくが波紋を広げているようだなと、職人でありながらも感動してしまった。
そしてやがてその波紋がお二人の暮らしに、そして周りの人たちへと喜びを響かせてゆく、そんな近しい未来を思い浮かべている。
これから少し雨が続きそう?
本当に?と思えるくらいどこまでもクリアだった空。
今日にありがとう!!
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