緑。咲き始めたハイビスカス。くるりとリングになったピンクゴールド。雨の季節、そして夏の予感。島のリズムとお二人の結婚指輪作りと。
屋久島サウスのアトリエです。雨の季節が好き、と言うと驚かれることがよくあって、それに驚いてしまうこともあるのだけれど、島の雨はもしかすると特別心地よいものなのかもしれないな、とも思う。もちろん、一日中部屋に篭っていられる職業柄もあるのだが。
2年ほど前に島に暮らしていた彼女はどうだっただろう。日に日に色濃くなる緑にワクワクしながら作業机に向かっている。
アトリエの庭先にたくさん咲き始めてきたハイビスカスを眺めつつ。今日もまた指輪作りのお話を。
お二人から春先にメールをいただいて、気になるリングの画像を送ってもらったり、サンプルリングやサイズゲージをお送りしたりして、それでも一生に一度だからと悩みに悩んだりしながら、少しずつ一緒に作ったデザインを一旦サンプルリングにしてみると、今までにはなかった造形が出来上がっていた。お二人の“大切”だったり“好き”にこだわったのがよかった。
そして実際にイメージがカタチになる瞬間に立ち会えることは、作家ならではの幸せだと思う。
リングのアウトラインに緩やかなカーブを与える工程はとても感覚的なタッチで進めていく。ハンドメイドにあってマスプロダクトにない何かは一体なんなのだろう、と先日友人が言っていたけれど、それはきっと揺らぎなのだろうと思う。一つ一つのタッチから生じる細やかな揺らぎが積み重なり生まれる奇跡のような造形があって、その一つだけ感に私たちはどうしようもなく惹きつけられるのだ。
有機的な柔らかさがすでに漂いつつある。やはり手作業はいいなと、しみじみと思う。
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