屋久島サウスのアトリエです。お二人の結婚指輪はプラチナで、ぴたりとお揃いのデザインで作っている。
金槌でコンコンと叩いてリング幅に抑揚をつけてゆく、昔ながらのゆっくりとした手作業である。
お二人の大切な思いや、屋久島の森を歩いた時間も。
形のないものが形になりつつあります。
たしかに、道具は使いやすく最新の技術でアップデートされているけれど、
基本的な手順だったり段取りは何百年前からずっと変わっていないのかもしれない。
ヨーロッパの古いジュエリーで今もまだ残っているものはやはりプラチナやゴールド、ダイヤモンドを使ったものが多くて、耐久性にも、文献で眺めるとその精巧さには今でも驚かされてしまう。
傷がついて磨き直して、サイズを調整したりしながら、少しずつ自分の暮らしに寄り添うものになってゆくところが金属の素敵なところだと思う。
わたしも作っていられるうちは、さまざまな調整をして、お二人とお付き合いをして、時折リングに再会できるかもしれない、そう考えると嬉しくなる。
いつもよりも少し長い時間を感じながら。
今日も一つ一つ。
プラチナは炎の中で柔らかくして、造形を加えて、硬くなるとまた炎に包む、そんなリズム。
くるりとリングになって二つ並ぶと、なんだかほっこりする。
まだ角ばっているけれど、プラチナに細い部分と太い部分があって、
最後の仕上がりで柔らかなつけ心地を与えてくれるところを最初に用意をしておく。
しばらく雨が続く予報だったので、夕暮れ時には海に出かけてきた。
7時ごろでもまだ明るい!日も長くなってきて、いよいよ夏なのだなと愛おしく思う。
打ち寄せて、引いて、また打ち寄せる。
波音が海の香りが心に響いて癒された。
そんなリズムを感じる指輪を作りたい。
今日にありがとう。
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