しとしと雨に包まれた屋久島サウス。
こんな日は、一日をアトリエで過ごすのがお気に入りなんです。
これはチャンスとばかり、お二人の結婚指輪を作る。
ポツリポツリと雨音に耳を傾けてると、
作業机に向かう時間がいつもよりもスローに感じられた。
18k pink gold
彼女のリングはピンクゴールドで作り進めています。
ハイビスカスと並べてみると、
ゴールドの中に、同じ赤を感じることができた。
秋になってなぜかハイビスカスが満開になった屋久島サウスでありますが、
ちょうどお二人がしずくギャラリーに来てくれたのも夏真っ盛りでおハイビスカスいっぱいの頃だった。
お二人は東京を旅立ち、日本をめぐる中で、
指輪を作るために屋久島を訪ねてくれたのです。嬉し涙。
屋久島から海を隔てて、こんなにも距離があるのに、
ご縁って不思議だなといつも思う。
数年前に彼女が東京でわたしのジュエリーに巡り会ってくれていて、
今、こうしてお二人の結婚指輪が形になりつつあって、
実際にこの小さなリングを手にすると、確かなつながりを感じずにはいられなかった。
ずっと密かに思ってくれていてありがとう!
こちらは造形前のゴールド素材。
今日は時間を巻き戻すスタイルで参ります。
ピンクゴールドの表面にマジックでラインを描いてあるの?
そうなのです。
これはリングに細い部分と太い部分の強弱をつける目印となるもので、
ここからここは細く、ここから先は太く、と、
これから金槌で叩いてリズムをつけていくのです。
叩いた後は、ラインをとって、ヤスリを入れて、造形しやすいように寸法を整える。
ここは、お料理でいうところの“下ごしらえ”となりましょうか。
お魚を三枚におろして、小骨を取り除く、的な作業であります。
おやつに食べた食パン!
サウスの職人、佐藤さんのつくるパンを焼いてバター。
熱いカフェオレを作って、今日のおやつといたしました。
一度気に入ったらずっと同じメニューを食べちゃうタイプのようで、ここ半年くらいはずっとこの組み合わせが続いております。
パンって、なんだか幸せの印みたいで、ほっこりしますよね。
そういえば、彼はパン職人さんで、
パン好きなわたくしは、パン職人さんのリングを作ってることをついつい自慢げに思うのでした。
造形がひと段落して、ほっと一息。
うん、いい具合です。
キラリと輝く金属に惹きつけられながら、
次のステップは明日の楽しみに、
ここで作業をひと段落した。
制作編