こんにちは!
今日の屋久島はしとしと雨降りでした。
そういえば、まとまった雨って久しぶりなのでは。
心地よい雨音に誘われて庭に出てみたら
世界を覆う雫に魅了されて、
雫から雫へと辿るうちに、気がつけば遠くまで歩き続けていた。
咲き始めたスミレ。
淡い緑色をまとったシダの葉っぱ。
くるり。
シダの若葉を見ると、いよいよ春も近づいてきたなと思うのは毎年のこと。
それがいつもフレッシュに感じるのだから、自然ってすごい。
今日から再開した指輪作りのモチーフがちょうどシダということもあって、
きのこ写真家の新井文彦さんに教えていただいた、きのこ目線ならぬ
シダ目線で、低く低く地面に這いつくばっていた。
pt900, round shape
k18 champagne gold, round shape
アトリエです。
シンプルなラウンドシェイプのリングに彫り込んだのはお気に入りのシダ模様。
これまでもシダ模様をリングに彫り込んできたけれど、
内側にシダ模様というのは初めての試みで、
「シンプルなアウトラインのリングに、アクセントとしてシダ模様を内側に施せますか?」
実はこのアイデア、お二人にかけていただいた声から生まれたものなのです。
リングの幅が約2.0mmほどなので、
このシダ模様もかなり繊細ですね!
小さいながらにも象徴的に感じるのは
一目でシダ全体を視界に収めることのできるようなサイズとしたからだろう。
手にとって作業をしていると、
内側にあるものなのに、不思議と大きな大きな存在感が伝わってきた。
イニシャルや記念日などの刻印にしても、
このシダ模様にしても、
なぜ内側に、なぜ見えないのに、
わたし達はそこに装飾を施すのだろうか。
おそらくそこには二人の暗号というか、約束というか、
目に見えない特別な力が働いていて、
内側に刻印があること自体にデザイン以上の重みを感じることができるからなのだろう。
デザインとして誰かに褒められたり、目立つものではありませんが、
そこに間違いなく、心に響く何かを感じることができるのが
わたし自身も気に入っている。
自分たちだけに、内側に向かう作業もまた素敵であります。
アウトラインに動きを与えるために、リング全体に曲線を与えているところ。
シダ模様にも変化が加わって、さらに生き生きとした躍動が生まれてきた。
去年の4月にしずくギャラリーに来たくれたお二人の指輪作りもいよいよ終わりが近づいてまいりました。
また春がやってくるのですね!
軽やかで、自由で、
そして、春のシダに感じるのは始まりのイメージ。
始まりを祝福するために、指輪作りの最後を迎えよう。
これまでの時間を味わいながら作業机に向かってます。