夜明けがずいぶん早くなっていて驚いた。
シャドウで表現される山々は美しいものだ。
お二人がお使いだったシルバーリングをお預かりして、新しくお作りする結婚指輪の一部とする。
金属は形を変えながら、大切な想いとともに受け継がれてゆく。
永い時間軸に寄り添う感覚が心地よい。
最初は周りの友人から、同世代の仲間に結婚指輪をお作りしいて、
そして次は、次なるジェネレーションに、島の外の方々にも。
少しずつ広がっていくジュエリーの繋がり。
それはそうか、もう15年以上結婚指輪を作っている。
そして気がついた。
お二人のご結婚10周年をお祝いしたり、ご家族が増えたり、
そして知人から知人へとご紹介を頂いたり。
未来へと繋がりゆく幸せがあるものだな、と。
きっとお二人とも、そんな幸せの巡りの中で出会うことができたのだろう。
新しくお作りする結婚指輪ではあるけれど、
これまでの色々が交差し重なり合って、今デザインが生まれているのだろうと思う。
お二人の物語を紡ぐような、そして未来へと幸せが橋渡しされてゆくような、そんな感じでいけたらなあ、と思う。
庭先に差し込み始める光。
今日も島の春を眺めながら。
溶かしたシルバーは、叩いたり伸ばしたりしながら寸法を整えてゆく。
そういえば、金槌も桜の木で作った台も、昔ながらの作業工具は先輩から受け継いだものである。
表現をできるだけダイレクトに伝えるために、手とジュエリーとの間に介入するものをシンプルにしていたいのだけれど、
デジタルノギスで0.01mm単位の採寸をしながら進めていたりもして、その対比も面白い。
この微妙なバランスが個性を作り出していて、
お二人と共感しているところなのかなとも思う。
懐かしさから生まれる新しさ、手の中に感じる温度感と洗練と。
シルバーとk18イエローゴールド、ここで初めてリングとなる素材が揃った。
ジュエリー作りも、お料理も、ペンキ塗りだって、下準備がとても大切。
お二人と一緒に作ったイメージがいよいよ形になり始めている。
時がうまく流れていくようで嬉しかった!
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