お二人のプラチナリングの造形作業がひと段落したのは、昼過ぎから降り出した雨が、少しずつ強さを増してきた頃でした。
これは本格的になってきそうだと感じて、その前にリングを手に取り、軒先へ出てみました。
宿っては落ちてを繰り返す雨のしずくを眺めていると、不思議と心が落ち着いてきます。
この雨で、植物たちもひとまわり大きく育ったような気がして、ふと足元に目をやると、、、
大好きな白詰草が、ポツリポツリと芽吹いていました。
嬉しくなって、小さな雫を抱いた葉のそばで、そっとリングを手に取ってみると、
雨の薄暗がりの中に、プラチナの静かな輝きを、たしかに感じることができました。
彼女の2.3mm幅、彼の2.6mm幅。お揃いのラウンドシェイプで仕立てています。
リングには、このあと光沢仕上げを施すことになっているのですが、
潤う煌めきを宿したプラチナは、あるいは雨の雫のような、光をたたえた揺らぎに似ているのかもしれません。
お二人と相談を重ねてきた彫刻模様を施し、そして天然石をセットして生まれる一つだけの表情を思い描くと、胸が高鳴ります。
けれども、その美しい指輪については、また別のお話で。
屋久島から大阪に暮らすお二人にお届けするマリッジリングの完成は、もう少し先のお楽しみに。
オーダーメイドのお問い合わせはこちらまで
hp@kei-jewellery.com
tel: 0997-47-3547
制作編