屋久島サウスのアトリエです。
彼のリングは表面を緩やかにラウンドさせて造形をした。
彼女のリングはフラットなスクエアシェイプのデザインなのだけれど、表面にわかるかわからないかくらいの極々なだらかなカーブを施してある。
形状の異なる二つのリングに繋がりを持たせたかったからだ。
重ね合わさて眺めるリングの佇まいが趣深い。
ピンクゴールドとシャンパンゴールドがリズム良く呼応しているようにも見える。
まだまだ途中ではあるけれど、奥ゆかしい気品のようなものが漂い始めているのを感じることができた。
シダをモチーフにした指輪はこれまでにも作ってきたけれど、
どれもが新しくて、どれよりも素敵なのが面白い。
オーダーメイドで生まれるリングは、お二人が過ごしてきた時間のかけらのようなものなのかもしれない。
お二人にはご25年周年の結婚指輪をお作りしているのだけれど、作業机に向かっていると25年前のあれこれに思いを巡らせてしまう。
全然変わらないよなオレ、と思えることもあるし。とはいえ、仕事だったり幸せだったり食や環境のこともジェンダーのこととか、モノの捉え方はあの頃が大きな変化の始まりだったような気がする。
変わらずに変わり続けよう、というのもおかしいものだけれど 笑。
今の気持ちに合わせてジュエリーもアップデートできると響きあえる。
いつものビーチには冬の波が届き始めている。
いつも変わらないリズムに心癒されながら、新しい時間を刻み続けている。
精密ヤスリを使って表面を端正に整えた2本のリングは大小異なる曲線を持った鉄の台と木槌を使って、コンコンと変化を与えていった。
リングのアウトラインに“流れ”を与える大切なタッチだ。
シャンパンゴールドとピンクゴールド、2本のリングに同じ流れを与えることでまた近くなれる。
この工程を終えたら隣り合わせにしたり重ね合わせたりして眺めてみたいと思う。
きっと良くなるだろう。
ほんの少し先の未来を思い描きながら、子供の頃と同じように心を躍らせている。
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