屋久島サウスのアトリエです。
プラチナリングが手の中で少しずつ育まれてゆく、
変化を続ける造形を前にできるのはオーダーメイドならではの喜びだと思うのです。
お二人と一緒にデザインした地図を片手に、宝探しのような指輪作りの時間なのかもしれません。
デザイン作りの際には、決まったお二人のデザインで一度サンプルを作るのだけれど、
結局、プラチナを使って進める本番の制作は一度きりのものであるし、潜ることのできる集中の深さや、一つ一つのタッチに感じる喜びのようなものは格別だな、と作業机に向かってしみじみ思いました。
波に乗ったりファインダーを覗いたりしているとゾーンに入って時間がゆっくりになるような感じでしょうか。
世界がとても静かで、心がどんどん平らになっていく感じ。
そういう意味では、自分自身を癒すために始めた表現活動なのかもしれないけれど、
気がつくと、その溢れる感情のようなものをジュエリーに変えてお届けしたいと思うようになっていました。
誰かと分かち合いたくなったのです。喜びのバトンをリレーするような感じですね。
今は希望でいっぱいのお二人にオーダーメイドでご一緒いただいて、幸せを交換しているような気分です。
ヤスリを段階的に細かく使い分けてプラチナリングの表面を整えると、そこに1本のラインがくっきりと浮かび上がりました。
波そのもののような、月のリズムを表す図形のような、緩やかなカーブを描くラインです。
作業自体は同じ動きを何度も繰り返してゆくのですが、角度と強さに変化を与えてあげると幾何学的なイメージが次々と生まれてくるのがとても面白く感じます。
アトリエから海までの散歩道。
今年のサキシマフヨウを収めておく。
海面がキラキラと輝きだしたら冬が近づいてきた合図。
お二人の指輪が出来上がる頃にはポンカンの収穫も始まっているだろうなあ。
少し先の未来をワクワクと想いながら、作業机に向かっています。
さっき眺めた海のような、眩しいくらいの時間が溢れています。
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