あれだけ強く吹いた東風が静かな西風に変わって、
雨もピタリと止んで、
シダの指輪を完成させたくて、
夜明け前には目を覚ますと、
澄み切った空が広がっていた。
アトリエでは、
シダの葉っぱの端と端をしっかりと繋ぎ止めて、
丸く形を整えて、
じっくりと磨き上げ作業を施して、
シダの指輪が完成!
fern ring in platinum and yellow gold
イエローゴールド とプラチナの組み合わせは
その色の、質感のコントラストが大きいのがいい。
プラチナを葉っぱに、ゴールドを茎のように、
シダの葉を摘んで指に巻きつけるようなスタイルで指輪を作りました。
庭に持ち出してみる。
山茶花の絨毯の上。
木漏れ日の下。
屋久島の緑やマゼンタがリングに映り込んでいた。
軽やかで繊細な印象ではあるけれど、
手に取ると、しっかりと頑丈なフィーリングがあったのは、
プラチナとゴールドの程よい金属の重みのせいだろう。
表面のざらついた有機的な風合いは、
荒い紙やすりで施したマット仕上げによるものだ。
指輪作りではとにかく、
植物のしなやかさや強さ、優しさを表現したくって。
屋久島の暮らしの中で出会い、いつも感じてることを形に変えるように造形を進めてまいりました。
彼と彼女が秋のしずくギャラリーに来てくれて、
真っ先に彼女が手に取ってくれたのがこのシダの指輪だったのを
今でも鮮明に覚えてる。
「婚約指輪にシダの指輪を。ずっと思ってました!」
と言ってくれて嬉しかった。
いつも、この屋久島で感じてる時間を分かち合うことができたような気がして嬉しかった。
雨上がりのキラキラと、山茶花の花びらと、シダの指輪と。
植物をかたどったジュエリーを手にすると、
どこにいても自然を感じられて素敵ですね。
これから始まるお二人の暮らしの中に、
何気なくこのリングがあって、
ふわりと柔らかな瞬間が訪れますように。
そしてそして、
結婚指輪とのマッチングも!
このあとぜひ見ていただきたい。
楽しい指輪作りはもう少し続きます。
制作編
出会い編