日中にそれは激しく降り続いた雨が上がると、
山茶花の花が落ちて、花びらの絨毯ができていた。
シダの葉を手にとって、マゼンタの上で眺める。
緑に赤に、
そう言えばもうすぐクリスマスだなあ。
屋久島にはイルミネーションがないけれど、
花々や植物、そしてジュエリーたちに囲まれてると、
カラフルな気持ちに包まれる。
今作ってる指輪はちょうどクリスマスイブに出来上がりそうで!
何となくツリーにも見えなくない、シダの葉をモチーフにしたジュエリー作りもムードを盛り上げてくれています。
屋久島のシダをかたどった、彼女がずっと好きだった指輪作りです。
さて、アトリエです。
プラチナとゴールドで組み合わせてかたどったシダの葉を
今日はくるりとリング状に造形を加えてゆくことに。
庭で手にしたシダの葉を作業台において工程を進めると、
その表情を感じ取ることができるだろう。
シダの葉を前に、ふわり柔らかさや凜としたシャープネスをイメージする。
一度進むと戻ることができない作業を前にして、キュッと背筋が伸びる思いだった。
それはなかなか悪くないフィーリングだった。
シダの葉は反り返りながら、くるりと回ると柔らかになる。
挑戦的といいますか、
金属が硬ければ硬い程に柔らかさを表現するのは面白い。
さらにくるり。
葉っぱらしい軽やかさと、ジュエリーとしての強度を両立させたくて。
素材の厚みや配合にはこだわりました。
プラチナは出来るだけ薄くすると頼りなくなるし。そしてゴールドに強度を持たせようとすると、リングが重たい印象になりかねない。
そのバランスを得るには結局、トライアンドエラーを重ねるのが一番近道ということになるのです。
シルバーにプラチナにゴールドに、これまでホントたくさんのシダジュエリーを作ってきた。
シダの指輪のこれまでずっと惹きつけられているところは、
自由な心持ちを抱くことができるところだろう。
軽やかさだったり、自然から生まれた美しさなのか、美しいゆえの感じる自然なのか、重ね付けにも魅力を感じるし。。
シダの指輪は何とも言えず、情緒豊かな個性を持っている。
制作編