島に暮らし始めてから15年以上が経ちますが、このツワブキへの感動は初めて見た時から少しも変わらなくて、自分でも驚いています。
庭の片隅や散歩道にポコポコと咲いて。風に舞った山茶花の花びらを乗せていたり。
その佇まいになんとも言えない愛嬌があり、自然が作り出した配置の絶妙さにも、つい魅入ってしまうのです。
振り返ってみると、これまではずっと新しい何かを求め続けていたように思うのですが、
いつの日からか、普遍的なものへの愛着が心の中で一層深くなったのは、
やはりこの島で暮らすようになったからだと思うのです。
シンプルなラウンドシェイプのリング。
お二人の結婚指輪の制作記は、彼のシャンパンゴールドを丸く削り出したところまでを書きました。
2本のリングは同じラウンドシェイプの2.3mm幅なのですが、細部に微妙な変化を持たせながら造形を進めていきます。
その違いは、おそらく見た目ではわからないかもしれません。
手の大きさはもちろん、日々のお仕事や手作業も大きく異なるお二人です。
リングをつけてお二人が並んだ時に、お揃いに見えるリングのフォルムを思い描きながら。
今日も作業机に向かっています。
さて、彼女のプラチナリングです。
プラチナは明暗のコントラストが強い、といいましょうか。
作業をしていると、その眩い輝きと力強さがダイレクトに伝わってきます。
シャンパンゴールドとは手触りや質感がまるで違っているのも、興味深いところです。
手作業にしなやかに応えてくれる粘り強さ、のようなものがプラチナにはあるのです。
まずは大きく角を落とします。
そこに生まれた小さな角を丁寧に落としながら、表面をラウンドさせていきます。
造形した彼のリングの印象が鮮明なうちに、思い切りよく削り出しの作業を進めていきました。
内側にも緩やかなカーブをつけながら、つるりと柔らかな質感に仕上げていきます。
ずっと長くお使いいただく結婚指輪ですから。
日々の付け心地を快適にする内側の仕上げは大切にしたいところです。
目には見えないところを、しっかりと頑張る。
夕暮れ時、作業がひと段落したところで、庭先に出て深呼吸を。
空を見上げると、速いスピードで流れる12月の雲が、西陽を受けてオレンジ色に輝いていました。
今日も屋久島にありがとう。
それにしても、島で眺める空もまた、いつまでも飽きないものですね。
指輪作りはまだまだ続きます!
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