今日の雫。
雨が降ったりやんだりが続く屋久島サウスです。
最近は雨の気持ちよさに任せて、ずっとアトリエにこもって制作を続けているので、
庭先での雫チェックを日課としているこの頃。
久しぶりにクローバーの葉っぱを目にして、
いよいよ春の訪れを感じていた。
暖かくなってくると、葉っぱが雨をよく弾くような気がするのだが、
それは春と関係があるのだろうか。
新しい緑に、たくさんの雨に。
始まろうとしている躍動の季節を前にすると、
ドキドキしてしまうのは毎年のことであります。
よく考えてみると、
水がそのカタチを留める瞬間って、雫のときだけなのかも!
キュッと小さなものに大きな力を感じました。
こちらも小さなジュエリー。
作業が進んで、キュッと力強さが現れてきた。
うまくリング状と形成を終えたので、
いよいよここからアウトラインの造形へと進んでまいります。
お二人とお会いしてから
しずくギャラリーで、メールで言葉を交換して、
長く打ち合わせを重ねて生まれてきたデザインが
今、ここで、手を加えるたびに実際のカタチとなってゆく!
これから始まる大切な作業を前に、屋久島の緑をバックに指輪を眺めてイメージを高めていた。
今日使った紙やすりは120番という相当荒い番手のもので、
磨く、という感覚よりは
ガリガリと削り落としてゆくという作業なのであります。
大胆に思い切りよくガリガリと、
そして、繊細さを保っていることを確認して、またガリガリと。
気持ちの良いラインを作り出すために、
一度きり。手数を少なく。
というのをこの工程でのモットーとしている。
120番のヤスリを片手に、もう後戻りできない工程を進んでゆくと、
手の中で作品がどんどん確かなものとなってきた喜び。
お二人がいて、そこから生まれてくるジュエリーは、その時一つだけのものなのだろう。
このかけがえのないフィーリングに今日もまた夢中になっていた。
1日の終わりに現れたアウトライン。完成の予感。
リング状を斜めに走るラインが
山の稜線のように感じ、山リングと名前をつけました。
山リング、あと少し。
あと少し。
じっくりとまいります。