
造形のひと段落した2本のリングを、太陽の光の下で眺めるひととき。
澄み渡る空気に包まれた、清々しい朝でした。
庭先には山茶花が、ぽこぽこと花をつけ始めています。
緑の中に灯る、赤い小さなドット。
そしてプラチナとイエローゴールド。
島に漂い始めた冬の気配がリングと出会い、素敵な色彩を作り出していました。

ガラスの器の中でそっと重ね合わせてみると、そこにやわらかなつながりが生まれ、イエローゴールドとプラチナがひとつのグラデーションを描き出しているように見えました。
まだお会いしたことはないけれど、海の向こうに暮らすおふたりの姿と重なり合ったような気がして、なんだか幸せな気持ちに包まれました。
考えてみると、ゴールドもプラチナも、広い大地から生まれたもので、
その美しさを思うと、この世界の奇跡を感じずにはいられません。
そして、わたしたちもまた、同じ自然の中に生まれ、存在しているのだと思うと、とても勇気づけられるのです。
時間をかけ、そのままを丁寧に磨いていくことができればいいな、と。
そんな思いが浮かぶのは、金属が宿す、わたしたちよりもずっと長い時間の感覚に触れたからなのかもしれません。
永遠の中におふたりが出会い、わたしが今、屋久島で指輪を作っていること。
それ自体に、冬の澄み渡る空のような、無垢な美しさを感じるのでした。

さて、長く続いた指輪作りも、いよいよ最後の工程を残すばかりとなりました。
おふたりにとっても、大切な日が近づいてきています。
晴れやかな気持ちとともに、どこか名残惜しさも感じられますが 。
リングには、これから彫刻模様を施し、磨き仕上げへと進めてまいります。
この続きは、また別のお話で。
自然と近しく生きるおふたりのシンボルのようなデザインを、どうぞお楽しみにしていてください。
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