屋久島サウスのアトリエです。
プラチナを手にする時間は心地よい。
シンプルを特別に、スクエアシェイプを柔らかに。
リング幅やサイズ感も、最後にセットする天然石も一緒にイメージしてきた、お二人だけの結婚指輪作りなのである。
季節はくるりと一周巡り、春の祝福を分かち合っている。
お二人との出会いと屋久島にありがとう。
シンプルなスクエアシェイプのプラチナリング、
わたしも大好きなスタイルで、これまでもずっと作り続けてきた。
つけ心地も良くて、スタイリッシュで、普遍的。
すっきりとしたフォルムなのだけれど、
さりげなく施すワンポイントの装飾が印象的で素敵。
その辺りの“好き”にお二人とのつながりを感じている。
日々の暮らしの中でワクワクするようなフィーリング。
胸の奥に響いてくるような静かな喜び。
さて。
まずは最初の第一歩を踏み出す。
島では春の雨が降り始め、緑が色濃くなっている。
くるりとなったプラチナは炎の中でその両端を繋ぎ合わせてリング状に造形することに。
炎を手にするとなぜだろう、心癒される。
プラチナの加工温度は1000度以上となかなかに高い。
何百年も前に作られたジュエリーで今なお存在しているのはプラチナで作られたものが多いのも、やはりその優れた耐久性によるものなのだろう。
このリングもわたしより長く在り続けるのだ、と思うと果てしない気持ちに包まれる。
もともとは大地から生まれたプラチナだ。
そのかけらを纏い、時間軸やリズムを肌で感じることが私たちにとっての安らぎなのかもしれない。
雨の日のジュエリー作りが好きだ。
雨脚が弱まったところで庭先で雫を眺めておく。
草花や水の色鮮やかさに受ける感動は天然石にもあるように思う。
表面をざっと磨き上げてすっきりとフォルムを整えたプラチナリングの佇まいを窓辺で眺めたら、
お二人と一緒に創造したイメージがクリアに広がってきた。
海の向こうに暮らすお二人とはメールでたくさんの言葉を交わしたりサンプルリングをお送りしたりしてデザイン作りをやってきた。
共に歩んだ日々も楽しかったなと思い出す。
リングにはお二人が選んでくれたダイヤモンドとサファイアをセットすることになって、ふと色彩に溢れる島の情景が思い浮かんだのだったな。
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