屋久島サウスのボタニカルパークにあるブーゲンビリアが満開で見頃だった。
その中に、しっかりとした幹を持った一本の木がお気に入りで、木陰に身をかがめるようにしてマゼンタ色の世界に包まれていた。
梅雨の合間の晴れ間といった感じなのだけど、日差しはなかなかに強い。
地面には濃く、エッジの立った影が落ちている。
2024年の夏の訪れをすぐ近くに感じる、南国のムード漂う昼下がりだった。
島では紫陽花も今が旬で、これからはヒマワリやプルメリアなど、キャラクターの強い花々が今か今かと開花を待っている。
植物たちの営みに遅れをとってはならないと、季節とじっくりと関わっていくのも島暮らしならではかもしれない。
秋になればサキシマフヨウが咲いて、ツワブキの花が咲くと冬が訪れる。
そのような日々の中で、花をモチーフにジュエリーを作るようになったのは、とても自然なことだったように思う。
アトリエではイエローゴールドとダイヤモンドを用意して、新しいジュエリーを作り始めている。
まずはイエローゴールドのプレートを糸鋸でくり抜いて、8mmほどの小さな花びらを造形した。
わたしも大好きなツワブキの花をモチーフにした婚約指輪作りの始まりだ。
ツワブキは冬の島を黄色く飾る小さな花なのだけど、今の季節も間違って咲いたりするので、なんだかかわいい。
庭先や散歩道にポコポコと咲くリズムも絶妙で、島のみんなにも愛されている花なのである。
朝目を覚ますと、昨日よりも大きくなっている蕾を眺めてワクワクしたり、
鮮やかな花びらの黄色に励まされたり、
そのような、ささやかな日々の癒しを分かち合うことができると嬉しい。
作業机の上にある、小さな花をピンセットで支え眺めながら、冬の風にゆらゆら揺れるツワブキたちを、微笑ましく思い出していた。
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