台風が過ぎた屋久島サウス。
今日は一日アトリエの中で過ごし、
結婚指輪の造形作業に没頭していました。
使った道具は鉄鋼ヤスリ1本と
紙やすり。
そしてわたしの手。
一つの作業が一つだけの製品を生み出す、
唯一無二のジュエリー作りがあります。
プラチナとシャンパンゴールドで作る結婚指輪。
その成形工程。
まずは左側、プラチナのリングから。
鉄鋼ヤスリでガリガリとおおまかなアウトラインを削り出してゆきました。
元は右側のように角ばっていたリングに繰り返し角度を変えながらヤスリを入れてゆくと、
柔らかい丸みが現れた。
オーストラリアにお住いの二人と
スカイプやメールでお話を続け、
そしてはるか海を越えてサンプルリングを送って、
細部に何度も打ち合わせを重ねてきた今回の指輪作り。
そうして出来上がったデザインが今、形になろうとしています。
ドキドキ。
続いて右側のシャンパンゴールドも。
一度進むと後戻りできない作用なので、
少しずつ少しずつ。
よく見てみると、
メンズとレディース、同じラウンドシェイプのデザインでも
アウトラインが微妙に違っているの、わかりますか?
スクエアっぽさを残しつつ、
表面が柔らかくラウンドするようなイメージが彼の理想でした。
そして、
全体が丸くラウンドするのが好きです!
と伝えてくれた彼女。
なぜだろう、デザイン作りでは
「ああ、そういう感じですね。」
とお二人のイメージと容易に通じることができた場面がたくさんありました。
それぞれ微妙に違う二つが並ぶと感じる、
どこか似ているような、近しいような
二つで一つ的な雰囲気ってありますよね。
お二人の指輪もそのように仕上げたい。
鉄鋼ヤスリを紙やすりに持ち替えて、
12o番、240番、400番
少しずつ細かい番手にスイッチしながら、さらに削り出す。
紙やすりといえど、
まだまだ造形的な段階であります。
メンズのリング幅が3.5mm
レディースが2.0mm
お二人はニュージランドで出会ったと話してくれました。
彼女はワーキングホリデーと言ってたかな?
実は、わたしも昔オーストラリアでワーキングホリデーやってて
その時
「海の前に暮らして、手を使って何か作って、波があったら波に乗ろう」
そう決めたことが今現実になっていて、
お二人の指輪を作っているのもまた感慨深く
おそらくお二人にとっても
今、オーストラリアが夢を蓄える場所なのかなあと思い、
時々遠くを眺めてしまう。
作業に没頭して、気がつくと周りが暗くなっていた。
今日はここまでにしよう。
明日も指輪中心となります。
みなさまもどうぞ素敵な夏をお過ごしください♪