屋久島サウスのアトリエです。シンプルな造形のその先には、何が待っているのだろう。想像するだけでワクワクだ。
造形のひと段落した彼女のリングから、再びバトンをタッチして、彼のリング作りを始めることになった。彼が選んでくれたリングは、最高にシンプルな、ラウンドシェイプ のデザインだ。
サーフボードはクラシックなシングルフィンが好きで、中華料理では焼き飯を食べてみたいタイプだし、ケーキ屋さんではショートケーキを選ぶので、シンプルなこととは昔から相性がいいのだと思う。作り手の考え方やデザインのエッセンスをダイレクトにキャッチしたい方だ。
そして、ジュエリーの世界ではきっとこれに違いない。シンプルなラウンドシェイプ のプラチナリングを、彼が選んでくれてとても嬉しかったし、グッとエネルギーがみなぎった。
シンプルなフォルムから、手を加えるたびに息吹を帯びる、プラチナの持つ冷たさや温かみを感じながら作業机に向かっている。
全体的に曲線に包まれながらも、側面にほんの少しだけ平面を残して作るスタイル。そして中心線にはしっかりとボリュームを持たせつつ、内側をラウンドさせて軽やかに仕上げたい。
柔らかさの中にキュッとシャープな印象があったり、ふわり軽やかさの中に確かな重みがあったり、共鳴するイメージが好きだ。振り子のようにバランスを取り合うエッセンスは、大地から生まれた金属そのものの質感を際立たせるのだと思う。世界と一つになるフィーリング。
今日の海サイド。偶然なことに、昔、わたしも彼もが暮らしていた浜辺のビレッジにて。
山にかかる虹は海の中からの方がよく見ることはあまり知られていない。
さあ、ここから最後の磨き仕上げだ。
彼はシックなマット仕上げで、彼女はキラキラの鏡面仕上げを選んでくれたのも、ここにまた新しいバランスが生まれるのだろう。出会うことって、なんだかとても素敵。
二つのリングを並べる時を夢見ながら、出来上がりはもう少し先のお話で。
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