窓の向こう側に見えた屋久島サウスの山々。
一日を作業机の前で過ごそう!今日は朝からそう決めていたので、
指輪作りの合間合間にそれはドラマティックな空を見ることができた。
近頃は雲の流れが早くて面白いのです。
異なる金属を組み合わせて一つとするように、
プラチナとゴールドを使って結婚指輪を作ってます。
今日はそのアウトラインを造形を始めました。
使った道具は一本の鉄鋼ヤスリ。
角ばったスクエアシェイプのリングに丸みを与えてゆく作業です。
春にしずくギャラリーに来てくれたお二人が選んでくれたのは
水平線をイメージしたデザインでした。
片側がプラチナ
片側がゴールド
時間をかけてゆっくりと削り出してゆくと
丸く柔らかいアウトラインが現れてきた。
不思議なのは
プラチナとゴールド、
同じ金属でもヤスリを通して伝わってくる質感が全然違うということ。
ゴールドは硬質で、
プラチナはしなやかなフィーリングで、
スポーツ選手で例えるなら、
ゴールドはラグビー選手でプラチナは水泳選手の筋肉という感じだろうか。
どちらも丈夫で優れているのだが、タイプが違う。
今回の指輪作りを通して
金属もまた、動物や植物と同じく多様性を持って存在していることが実感することができ、その多様性の重なりが生み出す可能性の大きさを確信した。
わたしたちもそう、
二人が一緒になるって、とっても力強いことなのですね!
一日の終わりに一本のラインが現れた。
ゴールドとプラチナの境界線。
この自然界に様々な造形がある中で、
水平線って、珍しく直線的だなあ。
島で暮らすうち、そんなことに気がついた。
海と空の境界線。
山々と空の境界線。
昼と夜の境界線。
大きなチカラを感じながら作ってます。
夕暮れ時、今日初めてアトリエの外に出た。
7時過ぎていてもまだ明るい。
虫の音が体全体を包み込むように鳴り響く。
深呼吸しようとして空を見上げると、
2頭のチョウチョが空高く舞っていた。
夏はまだまだ続きそうな気配だった。