7月。
屋久島サウスに漂う夏の香りに心躍らせながら、お二人の指輪を作っている。
まだまだ途中ではあるけれど、島の緑の中で眺めるプラチナの輝きが美しい。
ハイビスカスはどこまでも白く、コントラストが強いのは、南国独特の光である。
光沢仕上げのプラチナとダイヤモンド、お二人の大切な想い。
シンプルで、特別なリングづくり。
あと、オーダーメイドでご一緒するこの夏も、きっと一つの大切な記憶となって、リングと共にあるのかもしれない。
そう思うと、今、この瞬間がとても大切なものに思えてくる。
今日も一歩ずつ。
海からは暖かい風が吹いている。
県道沿いに、ポコポコとひまわりが咲き始めると、いよいよ夏本番が近い合図である。
幅1.8mmで揃えた2本のプラチナリングは、鉄鋼ヤスリでその表面を削り落としていく。
まずは最初の角を落としながら一周、片側が終わると逆の角を落としていく。
くるくるとリングを回しながら、同じようなタッチを何度も繰り返していく。
やがてリングの表面は柔らかな曲面を纏い始める。
削り落とされたばかりのプラチナの輝きが艶かしい。
作業台に散らばり、デスクライトの光を受けてキラキラと輝く無数の金属片がとても綺麗だった。
お二人のリングには、同じタッチを、交互に、同じ力で施していった。
隣り合わせに並ぶさくらんぼのように、お揃い感いっぱいに作りたい。
時々思うのだけれど、リングが寄り添いあって、二つで一つになるような佇まいは、どこかお二人に似ているのかもしれない。
オーダーメイドの指輪作りでは、私たちが出会い、共に暮らしていく時間がモチーフになっているような気がする。
とてもシンプルではあるけれど、お二人の特別なリングになると思う。
確かな繋がりを感じられるフォルムを作り出していきたい。
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