庭先ではツユクサをたくさん見るようになってきた。
7月間近になりそろそろ梅雨明けかな、というのにも関わらず、島はまだまだ蒸し暑く、湿度の高い日が続いている。
それでもこの島暮らしならではの熱帯の雰囲気が心地よくて、情緒深い風景を窓の向こうに眺めながら日々作業机に向かっている。
アトリエではちょうど新しい指輪作りを始めているところだ。
屋久島よりもはるか南に浮かぶ島からメッセージが届いたのは、まだ梅雨が始まる前の頃、爽やかな青空に包まれた5月のことだった。
はるか南の海から新しい季節が贈られてくるような、爽やかで嬉しい便りだったのをよく覚えている。
デザイン作りでは、海を越えてメールでたくさんの言葉を交わしたり、サンプルリングをお送りしたりした。
お二人と一緒に育んできたイメージが、今から小さなリングという形になると思うと、むっちゃ感慨深い。
いつもありがとうございます!
お二人が選んでくれたのは、同じプラチナで、ぴたりと同じデザインだ。
その素材となる細いプラチナを、木槌でコンコンと叩いてくるりと巻いた。
そして酸素トーチの炎に包み込み、約1000度まで温度を上昇させる。
そのようにして、私たちの指輪作りはいよいよ最初の第一歩を踏み出した。
とても静かな始まりだったように思う。
作業がひと段落をした夕暮れ時、
窓の向こうには色の濃い虹も見ることができた。
夏の訪れを予告する空だ。
きっとこのリングが出来上がる頃には、島は完璧な夏の色彩に包まれているだろう。
それまでのグラデーションに富んだ季節の変遷と、指輪作りの道のりを、ワクワクした気持ちで思い描いていた。
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