大好きな海をテーマにするジュエリー作りはいつも心安らかだ。
夕暮れ時になると秋色のグラデーションが島を包み込む、一枚の水彩画を眺めているような美しい日が続いている。
丸くて柔らかなフォルムはシルバーで作っている。
手の中で快適さを感じられるように、というのが指輪作りで大切にしたことだった。
今回はここから時計を逆に戻しながら。
私自身がそうなのだけれど、毎日気持ちよく感じる服や装飾品を本能的に手にとっているような気がする。
実のところ、物選びの基準は断然肌触り派だったりするのである。
内側も角をなくして丸く、気持ちよく。
ずっと長くお使いいただく結婚指輪だから、つけているのが気持ちよくて楽しくなるようなフィット感に仕上げたい。
感動的な情景に出会うと、それを誰かと分かち合わずにはいられなくなる。
彼と彼女はいつも一緒に感じたり眺めたりしているのだろうな。まるで宝物を大切に分け合うように。
波と太陽と。
お二人と、そしてわたしもずっと夢中になっている情景をかたどる指輪作りは長い月日をかけた歩みでもある。
久しぶりにメッセージを遡ってみると、初めましての挨拶がちょうど2年前の今だったのにも驚いた。
そうやってお二人とご一緒できる時間が特別で、嬉しかったりもする。
いつも大切に思ってくてくれてありがとう。
優しさ中にある力強さ、のようなものだろうか。
ハードなフィールドワークでも安心してお使いいただけるように、しっかりとボリュームを持たせて作らなくてはならない。
お二人は今は北海道に暮らしているので、あるいは雪かきもしなくてはならないのかもしれない。
スノーボードもなかなかにわんぱくな遊びであるだろう。
2年前の屋久島でご一緒した彼と彼女を懐かしく想いながら。
造形を施すその前にはリングを金槌で叩いてその組成をキュッと圧縮させた。
こうしておくとリングはずっと強くなる。
それにしても日差しの強い南国の日々だ。今年ももうあと2ヶ月を切っている。
この太陽の眩しさも、海から運ばれてくる潮の香りも、
指輪と一緒にお二人にお届けできると嬉しい。
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