各種ゴールドやプラチナ、シダ模様にお花のリングを少し大きめのケースに並べて、海の向こう、三重県と宮城県に送ることに。
海を隔てての結婚指輪作りでは、こうしてサンプルリングをお届けして、
実際に手にとって試していただくことにしているのです。
リング気に入っていただけるかな?
と、ドキドキしながら、しずくギャラリーの庭で指輪を眺めてるとミツバチも集まってきた。
そして、こちらは大阪に。
今からお届けの準備をしますね、と電話で伝えると、
「こちらでもちょうど桜の開花始まったところです。
でも、今年はお花見に行けそうにないので、、
このネックレスを眺めて過ごせるのが嬉しい!」
と、彼女が言ってくれた。
「よかった!よかったです。」
と、オレ。
こんな時だからこそ、誰かに喜んでもらえるのが、やけに嬉しかった。
「じゃあ、ケーキも買ってお家で食べましょう。」
スッと肩の力が抜けてゆく。
「もちろんショートケーキですね。」
*
さてさて、アトリエです。
暖かな日、大波の日、雨の日、屋久島の季節の中で作り進めるお二人の結婚指輪。
今日は彼女のプラチナリングが出来上がりました。
1.2mm-1.8mm wave ring in platinum
スクエアシェイプ 、すっきり細身のアウトラインです。
屋久島の暮らしで、私が大好きな海のイメージから生まれた指輪には
“wave ring”と名前をつけました。
緩やかなライン。島のリズム。
プラチナは白色系だけど、グッと力強いコントラストを感じるところが心地よいのですよね。
ちょうどお天気も良かったので、
外の光の下でもみてみたい!
そう思いついて庭に指輪を持ち出してみた。
光いっぱいのなかでプラチナリングを手に取る。
木々の隙間から差し込む虹色の光がリングを通り抜けた。
手磨きでつるりと磨き上げた表面には島の緑が、夕暮れ時の空が写っている。
マットな質感なのに柔らかな光沢を感じるのは、その磨き仕上げのせいだろう。
キラキラが心地よくって、
木漏れ日の下、くるくると手の中で遊んでしまったプラチナリング。
きっと真っ白な雪景色もあるだろう。
お二人の暮らす北海道では、このリングはどんな世界を写すのだろう。
実はまだ訪れたことのない、北国のことを、ぼんやりと思った。
制作編