屋久島サウスのアトリエです。
シルバーの柔らかな手触りが心地よい。
台風が近いからだろうか。虫たちも、風も、今日は夏の音がとても賑やかだ。
屋久島から沖縄へ。
お二人とは南の島のリズムで繋がっていると思う。
海を越えて大切な指輪作りの声をかけてくれてありがとう!
そう考えてみると、沖縄の方にジュエリーをお作りすることが結構多いような。
お二人とご一緒したデザイン作りでは何度かサンプルリングをお送りしたのだけれど、屋久島から沖縄までは3日間かかってしまう。
近しいようで、なかなかに遠い沖縄なのである。
同じ焼酎でもこちらは芋で向こうはサトウキビだし、カラフルな魚は屋久島ではあまり見ることができない。
シークワーサーはタンカンよりもずっと鮮烈だ。
わたしは南方への憧れを抱いているし、きっとお二人には森だったり深い緑に包まれる暮らしに魅力を感じていただけているような気がする。
自然は厳しいかもしれないけれど、カラフルで多様性に満ちている、実に豊かな島々があると思う。
さて、今日も作っている。
炎の中で両端を繋ぎ合わせてできたシルバーリングは、造形作業の前に金槌でその表面をコンコンと叩いておいた。
こうしておくとシルバーは強くなる。息を止めてお腹をキュッと硬くするように、その組成を引き締めて強度を増してくれる。
然るべきタイミングで然るべきタッチを施すと金属は確かにそれに応えてくれる。
まるで生き物と対峙しているようで楽しい。
そして目の荒い鉄鋼ヤスリをざっとかけて表面の凸凹を削り落とす。
やがて光を待ち受けていたかのように、つるりとしたシルバーの表情が現れる。
指輪作りの工程は、仕上がりでは見えない部分の作業がほとんどだったりもする。
雨脚がまだ弱いうちに庭先に出ておく。
台風がやってくる前にハイビスカスも眺めておく。
夕暮れ時になるといよいよ雨脚も強くなってきた。
なんとも抒情的な夏の指輪作りだなと思う。
明日の朝はまだ作業できるだろうか。
楽しい指輪作りはまだまだ続きます!
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