今日から彼女のリングの造形を始める。去年の12月から続いてきたお二人の婚約指輪と結婚指輪作りももう後半なのだなあとグッとくる。デザインの打ち合わせで交換したメールをチェックしていたら、デザイン画だったり、動画だったり、簡単なメッセージとか、30通以上もあった。
お二人が大切にしている水と植物にまつわるリングを雨に包まれた屋久島のアトリエで作っている。雨が降ると作業机に向かって、雨が止んだら散歩に出かけるリズム。
海や山々を眺めながらジュエリーを作りたくてこの島に暮らすようになったのだけど、同じように自然のリズムを感じて暮らしている方々と、それも海を越えて、ジュエリーで繋がることができることは何よりも幸せなこと。仲間と大切なフィーリングを分かち合いながら進める指輪作りは楽しい。
さて、彼女のリングはお揃いデザインに仕上げたくて、その隣に彼のリングを置いて眺めながら作っている。
2.1mm ,ラウンドシェイプ , シンプルなプラチナリング
均一なかたちとするために、ここは休まず一気に手を進める。
気がついたらもう暗くなっていた。窓の向こうに雨の様子を眺めている。
柔らかなカーブに包まれたプラチナリングと紫陽花と。
よく考えるとまだ5月なんだ。梅雨の終わりはもしかしていつもと同じなのかな?って今日も海で話してたけど、屋久島らしい色彩がまだ当分続くならそれは一興なのかもしれない。長野はどんな梅雨景色なのだろう。海の向こうのお二人のことを思いながら。
軽やかに、すっきりと。このリングのようにシンプルでありたいものです。彫刻模様を施すと装飾が際立つと思うし、歳を重ねるうちに味わい増すリングになるだろう。指先に収まるほどの小さなプラチナリングが長い時間軸をまとい始めている。
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