朝にはいつものスコールで、もわりと湿度がすごい。傘を開いたくらいの大きさに育ったバナナの葉、熱帯味を帯びて輝くしずく。大音量の虫の声を聴きながら、新しく始まる結婚指輪作りのイメージを高めつつ、プラチナを手に取ってキラキラ、暑い一日の始まりだった。
そういえば、お二人にお会いした日も雨だったような。それまでの数ヶ月は海を越えてずっとメールをしていたので、いよいよかと嬉しかったのをよく覚えている。屋久島まで来てくれてありがとう!
屋久島といえば雨なのか。旅の間に台風が来たりもするし、アトリエから出れない程のこともある、山々は緑深く、植物たちは躍動する、このワイルドな癒しが屋久島の美しさなのだと思う。
彼と彼女にとっても特別な屋久島。
ここでお二人の結婚指輪作りが始まる。
アトリエでは素材のサンプルを手に取っていただけたのもよかった。お仕事の時もさりげなく馴染んでくれるようにとプラチナを選んでくれた。アトリエでご一緒したフワリとした時間は記憶に新しい。
プラチナは高温の炎で柔らかにして、コンコンコンと叩いて丸く造形を始めた。いつもながらにスローな手作業である。
2.0mm幅、シンプルなラウンドシェイプのプラチナリングか、とてもシンプルで素敵なスタイルだと思う。ワクワク感が込み上げてくる。
夕暮れ時には作業の手を止めていつものビーチまで車を走らせると、六時ごろなのにまだ光は燦々で、子供たちもボディーボードを持って一生懸命遊んでいるし、まだまだ夏は続くのだなあとなんだかホッとした。ジュエリーづくりの日々を爽やかにしてくれる海にありがとう。
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