屋久島サウスのアトリエです。
植物はその儚さが素敵なところではあるけれど、花を手にしたときの喜びが永遠だと良いなと思っていた。
プラチナとイエローゴールド、ダイヤモンドが持つ永遠性。
考えてみると、永遠に近い時を経て形を変化させながら在り続ける鉱物である。
今、この刹那に、ジュエリーとして形を留めさせているものは、あるいは私たちの想いなのかも。
作業机に向かっていると、まるで小さな奇跡を手の中にしているような気がしてグッとくる。
果てしない時間の中でお二人の婚約指輪を作っている。
島に咲くタンカンの花をモチーフにして作るリングは花びらをプラチナでかたどることにした。
花の大きさは約8mmほど。
指の先に乗るくらいのプラチナに造形を施していく繊細な工程である。
つるりとした光沢を生み出すために花びらの一枚一枚に紙やすりをかける。
小さな花には開いたばかりのコロリとした表情を与えたい。
叩いて曲げて、力を加えられたプラチナが硬くなったところで酸素トーチの炎に包み柔らかくする、そのような作業を何度も繰り返した。
細やかな作業にキューッとなってしまうので、話題のソングラインさんのケーキをいただいてフワリ。
力を抜いてじっくり行こう。
アトリエに戻って窓の向こうを眺めると秋の雲が広がっていました。
日が暮れるのもずいぶん早くなってきたなあ。虫の音も心地よくて!
10月がやってきて、あと3ヶ月なのかと今年の残りを数えていることに自分でも驚きなのでありました。
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