彼のリングを作り始めるその前に海まで出かけました。
いつものビーチで眺めた雲も、打ち寄せる波もが春めいてます。
浜辺を裸足で歩いて仲間と一緒に何本かの波に乗ったら気持ちが新しくなりました。
彼女のシャンパンゴールドから彼のプラチナへ。お二人の指輪作りはバトンをリレーしたところです。
ジュエリー作りの細やかな作業の周辺に、ふわりと和らぐことのできる自然があるのは島暮らしで助かるところだなと思います。
今日も屋久島に癒されながら。
指輪作りでは案外数字もたくさん出てきます。
リングを鉄鋼ヤスリで削り出す前にはその表面に細いガイドラインを描いておいきました。
0.5mmのところ、0.9mmのところ、といった具合にポイントを定めてぐるりとラインを囲む。そしてそのラインを超えないように、角度を変えながら手を動かしてゆくのです。
シンプルでアナログな手法ですね。
機械みたいに精巧ではないのですが、そこには心地の良い歪みというのでしょうか。手仕事ならではの温度感が生まれるように思います。
やっぱりこれが好きだなと思います。
お二人は相談会の時にアトリエに来てくれたのですが、その2階が作業場になっていて、ほぼ一日をここで過ごしています。
リングにガイドラインを描いたら、あとはタッチを積み重ねてゆく。ただただ心を真っ白にして。
そんな時間が何よりも心安らぐのは屋久島の空気感のおかげだろうと思うのです。
まだ二月が始まったばかりなのに、屋久島サウスにはふわふわと暖かな空気が漂っています。
リングの表面は滑らかにカーブするように造形しました。側面には若干の平面を残しています。
こうすると柔らかさの中にシャープな印象も感じていただける。わたしのお気に入りのフォルムなのです。
この次は内側を丸くする作業であります。
ルーペ越しのその細部を眺めながら、屋久島の春に包まれるような安らかなつけ心地を思い描いています。
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