屋久島サウスのアトリエです。
スクエアシェイプのプラチナリングには手の中で柔らかさを与えてゆく。
彼のリングの造形をひと段落して彼女のリング作りにバトンをタッチした。
昔ながらのゆっくりとした手作業ではあるけれど、
今だからこそ大切にしたいことがある。
macみたいに完成されたプロダクトも好きだけれど、
手作業から生まれる趣を味わうことは何事にも変え難い喜びだと思う。
そこには一つだけしかない揺らぎのようなものがあって、わたしたちはどうしようもなく引きつけられるのだろう。
遠回りかもしれない、けれどもそこでしか眺めることのできない景色もあるのだ。
少し前まで当たり前だったことが、今ではとても貴重になっている。
喜びを共感できるオーダーメイドの作業にはいつも心救われる。仲間ができたようで嬉しい。
さて、今日も作っている。
作業机に向かう時はいつもルーペとピンセットがセットになっている。
ヤスリで削ってはルーペで確認して、またヤスリを手にする、そんなリズムを思えば一日繰り返している。
そういえば、冬の間毎日欠かさず海に出てクジラをチェックしている友人がいて、飽きないのかな?と思ってしまうのだろうけど、わたしも同じようなパッションなものかもしれないなと、少し面白く思う。
彼女のリングには、その側面にダイヤモンドをセットすることになっているので、そのために設けておく余白がとても大切だ。
必要なぶんだけ、最小限に。軽やかさと出会う場所を探し求めている。
つけた時に側面までが視界に入るのはスクエアシェイプの素敵なところだろう。
ここに細工を施すことができるのは嬉しいし、そしてかっこいい!
雨の日が続くけれど、ツユクサに出会えてラッキーだった。
作業の合間には遠くも眺めておく。
一日の終わりには彼女のプラチナリングも端正に造形できて、ほっと一息。
そういえば二つを並べて眺めるのはこれが初めてだなと、思わず嬉しくなる。
あと少し。
デスクライトの光に照らされてプラチナリングが静かに輝いている。
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