屋久島サウスのアトリエです。
こんなにも暖かかだったかな?と思うのも毎年のことだったかもしれない。
アトリエでは時折窓を開け放ち、11月の爽やかな風を感じながらお二人の結婚指輪を作っている。
指輪作りが始まるとアトリエに籠る日が続くことになるのだけれど、
シンプルに繰り返される何気ない日々が幸せなのかもしれない。
朝に目を覚ましてリンゴを食べ、えいっとデスクトップを開く。
庭先ではサキシマフヨウがこの日最初の陽光をキャッチしていた。
くるりとリングになったゴールドは金槌でその表面を側面を叩いて圧をかけていく。
均一に力がかかるように、同じ作業を何周も繰り返した。
やがてゴールドの組成はキュッと圧縮されて硬くなり、同時に冷たいはずの金属にほのかに灯る温かみのようなものを感じ取ることができた。
タッチを加えるたびに息吹を帯びてくる、金属を手の中にする時間が好きだ。
叩いて凸凹になった表面はヤスリを使って綺麗に整えた。
なんと、ここまでが下拵えである。
デザイン作りから考えるとなんとも長い道のりであったけれど 笑、実のところこれがむっちゃ大切なところ。
今が旬のさつまいもは、びっくりするくらい重たい鍋に少量の水を入れて、その中で1時間ほど蒸し焼きにしていただいた。
さつまいもにはアルミホイールで二重に包んで、鍋に入れた水との間にもアルミホールを敷いてその上に乗せておくと、驚くほどに甘くしっとりと出来上がる。
石焼き芋も素敵だけれど、なかなか自宅では、という皆様はぜひ!
素朴だけれど、じわじわと幸せになるような感じがいい。
ゴールドが本来そこに携えている豊かさのようなものを味わうことができるようなフォルムを作りたいと思う。
ベランダの花だったり、二人で飲む熱いコーヒーだったりするかもしれない、
朝を迎えることが楽しみになるような、ささやかな喜びの中に結婚指輪も一緒にあると嬉しい。
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